第2話 真夏の夜の人魂・鬼火

 ……ん? あれかな? と、思う物が発見できたのだ。


 そう、先程から月の明かりも無い漆黒の暗み、深夜の時間帯に。


 夜空を、移動を重ねながら。


 上空から辺り一面を見下ろして確認する事数時間……。


 ある屋敷の二階の窓から小さな明かりが、浮遊をしながら出たり入ったりを繰り返しているのが確認できたのだ。


 だから近づいてみることにする。


 と、思えば?



 直ぐにその屋敷の上空へと到着したから。


 室内と外を浮遊している青白い炎の玉、灯りが、一体何かを確認してみた。


 すると、『あっ!』と、驚き、驚嘆を漏らしてしまうような物だったのだ。


 だから先程少年が、絶叫をあげた訳、理由と言う奴が、直ぐに理解が出来たのだ。


 だって少年が凝視して驚愕! 絶叫を吐く、放ったのは。


 リンが青白く燃えた物ではないかと思われるのだよ。


 そう、夏の夜の風物詩の一つであり。


 夏の夜を賑わいさせ、聞いた、話した者達の顔色を青ざめながら、背筋を凍りつかせ、夏の夜の蒸し暑さを吹き飛ばすことが可能な物──。


 そう、怪談話によく出てくる人魂若しくは、鬼火と言う奴のようなのだ。


 それが! その物が! 人魂! 鬼火が!


 先程も説明をした通りで、驚愕、絶叫を上げた少年の部屋の窓を出たり、入ったりしている。


 また人魂が出たり、入ったりしていると言うことは?


 彼の部屋の中には、多分あれが! あれがいるようだね。


 と、いうよりも?


 先程少年の、部屋の中をそれとなく、チラリと覗き込んでみたのだが。


 その時に何かいたよ!


 いたのだよ!


 己の背筋が凍りつくような、この世の者とは思えない者の姿を確認したのだ。


 だから両手を合わせ、「南無……」と、唱えながら。


 少年が無事でいますようにと祈る事にしたのだ。



 ◇◇◇


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