流れ星になったあなたへ

 夜空を眺めて思ったの

 無数に広がる星だけど

 永遠とわに輝く星は無い

 いつかは闇に消えていく


 あなたがお腹にやってきて

 パパとママは、夢見たの

 可愛いおめめ、ちっちゃなおてて

 愛しいあなたに頬ずりし

 この腕に抱くその時を


 まだ見ぬ小さなあなた

 パパとママに会うために

 いっぱいいっぱい頑張ったのね

 見守っていた神様が

 「もう十分だよ」ってあなたを抱いたの

 三日月の揺り籠で

 ゆぅらりゆらり、揺れながら

 優しい夢の続きを見るの

 パパとママの、あたたかな腕


 あなたには

 「ごめんね」じゃなくて

 「ありがとう」を伝えたい

 

 ここにきてくれて、ありがとう


 夜空の星の瞬きは

 闇に消え入りそうになる

 それでも小さなあなたの光は

 私たちの心を照らした

 沁み入るように美しい、命の輝き

 あなたが教えてくれたこと


 たとえ一瞬の

 流れ星だとしても

 その美しい光は

 あなたはきっと、パパとママの

 永遠の流れ星なのよ



        ☆彡



 「お腹の赤ちゃんは、育たなかった」

 そう言って涙を零したあなたに

 私は、何も言えなかった……。


 それでも、お腹の赤ちゃんには

 パパとママのあたたかな愛が

 いっぱい降り注いでいて

 空の上でも優しい夢を

 見続けるような気がするんだ。


 あなたと、あなたの赤ちゃんへ。

 祈りを込めて。

 


 

 

 

 

 


 

 

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