第10話 志村美希

『大丈夫なんですか?まだ、七歳ですよね?夕御飯とかもあると思うし。』

織絵は中里同様しつこい性格のようだ。


いいではないか、他人の家の事なんて。


『一応ご飯は冷蔵庫に入れてありますから。』

私が言うと、織絵は『そうですか。』と言う台詞とは裏腹に半ば軽蔑したような顔を向けた。

このやり取りを見て彼は引いているだろうか。

それとも自分にも一片の責任があると感じているのだろうか。



だが事実息子が一人で夕飯を食べるのには慣れている。

七歳でこれなのだから見上げたものだと思う。


正直私は数年前から仕事をしていて、夜遅くなることもある。

何より彼との時間も確保したい。


いけないのは、いつも定時で上がっている旦那だ。

何故息子のために真っ直ぐ帰らない?


まさか貴方も浮気…?



いや、それはない。こんな男がもてるわけがない。



金も無くて薄情なんて最底辺ではないか。


しかし最近やたら下着が綺麗なのだ。

前までは、恐らく一人で自慰にでも耽っていたのであろうシミが毎日のようにあった。


それが最近無くなった。


思い返した。

浮気も、ない話では無いなと。

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