第7話 中里毅
ナイスだ織絵。さすが我妻。
『そうですよ、救急車!なんで気が付かなかったかな。』
俺は声を上げた。山口め、さっさと救急車で運ばれてしまえ。
そして車のキーを寄越せ。
『…いや、救急車は…ちょっと苦手で…。』
一瞬この場の時が止まった。
山口を除く四人の共通の気持ちを文字で起こすと
「は?」
の一言である。
救急車に苦手も糞もあるのか?
パトカーならまだわかる。こいつは過去にも悪さをしていそうだから。
もう決定したようなものだ。
山口、貴様やはり車に何か証拠を隠しているな。
貴様は織絵と…!
『苦手もなにもないでしょう!?この状態を我慢する以上に嫌なことですか!?』
俺は畳み掛ける。
『いや…本当…ウチの母方父親……歴代爺さん婆さん救急車の中で亡くしていて……。』
と山口。
なんだそれは。そんなトラウマ聞いたことがない。どれだけナイーブな子供だったのだ。
なら病院で看取っていたら医者にもかかれないではないか、車に轢かれていたら運転も出来ないではないか、その理屈だと。
中里はボルテージが上がっていくのを自身でも感じていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます