第3話 志村誠

人は見ていると本当に面白い。

俺は不謹慎にもそう思った。


確かにこのバーベキューを企画したのは俺だが、山口はよく来たものだ。


山口、中里、志村宅は同じ区域の建売住宅に住まうご近所だった。山口家と中里家は前後に2軒隣接しており。

志村家はその二軒と市道を挟んですぐ向の家に住んでおり、嫌でも顔を合わせる立地だ。


他にも隣接する家屋はあるが、同時期に建てられ売りに出された家はこの三軒であり、工務店も同じだった。

又、他の住民は古くからの人間ばかりで皆世代も二回りほど上であり顔を合わせば挨拶する程度だ。


そんな環境にあり、シンパシーでも感じたのか、余計な節介を焼き始めたのが妻美希だ。


中里夫妻はともかく山口は妻との離婚準備の為に買った家だそうじゃないか。

それを見かねてか美希は積極的に中里夫妻や山口を誘うようになった。


しかし、あの件があってからはこう言った企画を俺主導で開催している。

この二人のどちらかが「真犯人」だと突き止めるためだ。


今日こそ「真犯人」を突き止めてやる。この中にいるはずなんだ。

その絶好の機会だ。

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