過去時計

楓 紅葉

後悔と禁忌

私はつぐみさんが好きだった。それは異性として。所謂恋だった。つぐみさんは所謂高嶺の花というやつだった。いつも視線を釘付けにしていた。それなりになぜだかいつも私に話しかけてくれたり勉強を教えてくれて遊びにも行った。

だからいつかの休日にある端的な一言を言った。

「そう。ありかとう。」

と言って去ってしまった。

私は、答えを返してくれると思っていた。がそれ以降、私避けているように居なくなってしまった。そんなにも会いたくないですか?絶望悲しみ何もかも私に襲い掛かる。彼女にも会えなく話すこともできない、それなのにこんな恋心はかわらなかった。

だから今夜禁忌を犯す。

過去時計というものがある。これはなぜか私の持ち物になっていた。そして1枚の紙があった。

戻りたいことがあるなら、願って。

過去時計は埃がかぶり動かない本来なら捨てるガラクタである。けれど紙のせいで、捨てることはできなかったのである。

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