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 さて、寝て、待って、十時になった。時計も無いのにどうして分かるのか。ここらの牢獄はコの字に配置されていて、俺の牢屋は丁度コの字の真ん中に、下から数えて五つ目の場所にある。そして、俺の向かいは牢屋ではなく壁になっているわけだがその壁にはなんと時計が付いてる。昔ながらの歯車式で長針短針で時間を知らせるあのタイプだ。だが、午前か午後かは分からない。ここの外は宇宙だ。『見えない光線』が切れているかは分からなかった。そこで俺はベッドのシーツを牢屋の外に放り投げた。すると、そいつらは焼き切れてはいない様だった。それで俺も外に出たわけだが、良くも悪くもここは犯罪者どもの目から目立つ位置だった。


 あいつ外に出たぞ。俺たちも出れるかもしれない。大声でこんなことを言われちゃあな。次の瞬間には蛸の活け造りとワニのスライスステーキ、それからハムができていた。


 それらを見た連中はまぁたじろき、次には俺への羨望と罵倒をまた大声で繰り広げ始めた。その大声ったら最悪で満員の野球場で且つ熱狂していてもこれほどの騒ぎにはならないだろう。頭(とう)に煩いを通り過ぎ、ヨシキリ中に響いているかもしれない。機械警護兵団と複数のレンジャーに裸一貫で戦える奴がいるだろうか? まずいない。


 こいつらを黙らせなきゃいけないだろう。


                                  続く

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