ものすげーーーーーー情報量の、壮大な、壮大な群像劇SF。

世界観は途方もなく、用語も多く、語り手も舞台も視点もしょっちゅう変わる。要素だけ見れば正直全く相性が良くない要素で構成されてるタイプの作品なんですけど、この作品は視点や舞台がしょっちゅう変わっても、その場その場を楽しめるし、道中もそこまで読みづらさを感じなかったです。流石に中盤以降は情報量も用語も世界観の広大さも増えて広がって行って、一気に読んでると目がチカチカするし頭がパンクしそうな部分はあったんですが。それでも先が気になるし読み切りたいって欲求が勝つ感じでした。

面白かったんだけど壮大過ぎて、一言でどこがどう面白かったか説明しにくいな……。でも読み終わって冷静になって考えると、常に物語の中心にいるのはアザゼルさんで、準主役が確執のあるミカエルって感じ。キャッチフレーズと作品ページの文章はあまり合っていないように個人的には思いました。最初主人公っぽかった人らはメインキャラの一人ではあるかもしれないけど、主人公ポジションではないと思う。

転生と星の滅び、再生という壮大な要素をミカエルとアザゼルの確執や諸々の心理を爆心地として10万字にギュ―――――ッと詰めた感じの作品。体感その倍くらいは読んだような気がした。一気に読んだので、宇宙一個を脳みそにねじ込まれたような気分。その一方で、サクッとした文体で語られるキャラクター像が結構俗っぽく可愛げがあるのも良かった。

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