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第４８話
「…取り敢えず俺は普通に喋ると照れくさいから歌わせて貰うよ。」
いつもの調子でそう言うと、静かに歌い始めた。
会えない時ほど会いたくなるよ
思い出すよ今でも君の笑顔
これからもこの先もまだずっと続くと
思っていたけれど
これからは俺が守るよ
誓ったはずだったけど
今思い返すページひとめくり
たちまち君の姿が駆け巡り
気が付けばいつも俺のそばに
めぐり逢えたのは君一人
くだらない事で喧嘩したり
俺のわがままにも
付き合ってくれたり
でも遊びに行くのはいつも友達で
傷つけちまう事もあったし
今まで君に言われた
数々の事を
親父の小言より
きくひとことを
まるでﾎﾞﾃﾞｨｰﾛｰのように
後からきくよ今更だけど
でも本当やっと気付いたんだ
俺の為にした事だったんだ
全て
俺にとって君は
かけがえのない存在になっていたから
こんな簡単に終わるなんて
思ってもみなかったけれど
そうさ
そばを離れてやっと気付いた
遅すぎるあっけない
幕切れの後じゃ
隣にいたあの頃が
やけに遠く感じていた
出会い別れ繰り返すよmylife
その度に何か感じりゃ絶対
どんな難解だって
乗り越えられるはずさ互いの未来
もうやめとくよ君に頼ること
これからは自分でやるよ
きっともっと強くなるよ
会いたくてももう会わないよ
自分のため君のため
全ていつの日にか
友達になれるその日まで
互いの道を進んでゆくだけ
still in love…
彼の代表曲はこの講堂に、そして受刑者の心の深い部分へと響いた。
捕まって彼女や嫁を失った奴は沢山いる。そいつらに取っては少し辛い歌だったろう。
この歌には物凄い力があった。
めぐ…
気が付けば俺は彼女の事を考えていた。
俺は本当に幸せ者なんだなって…
「それでは本当に、本当に次で最後になる…」
…あれ？
待てよ。
RATさんがやってるって事は…
まさか…
「…最後は日本が世界に誇れるﾀﾞﾝｻｰ…
RAGGA CAT!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
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