女性アイドルファンは、男性目線とまるでちがう過程を辿ってアイドルへ至る

女性である著者さんが女性アイドル推しとしてアイドルを見て、感じたことを語るエッセイです。

視点が恋愛ではないだけに、クールな切り口になってるのはおもしろいところですが、なによりファンという立場からの論は興味深いですねぇ。結論自体は男性ファンが辿り着くそれと変わらないんですよ。でも、過程が違うんです。そしてアイドルとの関係性についても、結果として男性ファンと同じように保ちながら、その心情は大きく異なっていて。女性だからこそ、同じ女性であるアイドルをあたたかく思いやってあげられるし、逆に冷静な目で切ることもできる。

結局のところ女性ファンと男性ファンの違いはなんなのかといえば、きっと感情の置き所の違い――心の距離感なんだろうなぁと思うのですが、こうして論じてもらっていればこそ、昨今の“アイドル文化”に「思う」こともできるわけです。

アイドル好きの方もそうでない方にも読んでみていただきたい論で、心情ドラマです。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)