ログインボーナス22日目 寝息

 ログインボーナスとはログインした時に貰えるものではないのか?

 こう、朝目覚めて布団から起き、凝り固まった体をほぐすように伸びをして、ハローワールドとした時とか。

 まあそんな事はしないけれど。

 ただ夕日をログインボーナスと言われて朝日を見せられたら誰だって怒るだろう。

 だから貰ったボーナスと言う名の宝箱は、時間という、タイミングという鍵が合った時に開くものなのかもしれない。

 こんな事を思っているのだから、当然今朝もインターフォンは鳴らなかった。


 18時部屋に戻ってき、適当にご飯を済ませて風呂に入る。

 頭の中をもんもんとさせながら、本の頁をめくっていく。


 2時間ほど経ったころだろうか、インターフォンが鳴ったので本を閉じて玄関のドアを開ける。


「お疲れ様です。」


 配達員さんだった。

 だけれどいつもと違ってログインボーナスを告げない。

 黒いスーツを着ていて、服屋のロゴが書いてある袋を持っていた。


「シャワー借りてもいいですか?」

「どうぞ」


 配達員さんが風呂場でシャワーを浴びている音が聞こえてくる。

 とてもドキドキする。


 シャワーを終えた配達員さんは、ピンク地に白の水玉模様が施されているパジャマで身を包んでいた。

 事態が読み込めない。

 そして配達員さんは勝手に俺の布団で寝始めた。


 寝息が聞こえて着たころに、スマホが振動した。

 メールである。


『今日のログインボーナスは寝息です』


 結局朝から晩まで悶々とさせられた俺は、床に段ボールを敷いて寝た。

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