第29話 ダサい喫茶店とダサい事務所
上京してきてまず困ったこと。
東京には本当にダサい喫茶店がないことです。
ダサいというのはどういうものかといいますと・・・。
10円玉で落書きされているテーブルに、分厚い木の椅子。
そこに手作りの座布団が敷いてあったりする喫茶店です。
そういった喫茶店の朝は、60代前後のおじさんたちが、入り口手前にある週刊誌やスポーツ新聞を読みながらたばこをくゆらせています。
大阪時代の私は、事務所兼自宅(当時)から徒歩3分のダサい喫茶店でモーニングするのが日課でした。
喫茶店には、ガラケーと聖書と大学ノートを持って行きます。
そこで毎日一人で聖書を読んで、ノートに感想を書いたりしていました。
窓からは山と田んぼと畑が見えておりましたね。
本当にゆっくりした時間を過ごしておりましたよ。
と・こ・ろ・が!!!!
東京でダサい喫茶店を見つけるのは一苦労です。
私の住む駒込でも本当に見つかりません。
でも、最近解決しました。それは、私の事務所、です。
昨年から面談用に借りた事務所の家具にめっちゃくちゃこだわったんです。
あの、ダサい喫茶店を再現したいと。
もちろん、新しい家具なんて置きません。
すべて中古家具です。じゃないと、ダサい喫茶店は出来ません。
私が選んだのは、イタリア製の相当古いダイニングセットでした。
新品で買えばセットで250万ぐらいしますね。それを6万で買いました。
(どんな買い方してんねん)
古いとはいえ、やはり某有名ブランドのものなので、作りがよく、
長時間座っても全く疲れない不思議な椅子と、安定感のあるテーブル。
仕事を長時間やっても腰が痛くなることはありません。
昔の高級家具はおんぼろでも馬鹿に出来ないなと思いました。
形は本気で時代遅れなのが一番のお気に入りですね。
誰も、こんなデザインの家具は選ばないだろうから、250万が6万になるのもうなずけます。
そして、、、
マルエツで買ってくるハーブティのティーパックとインスタントコーヒー。
カフェインレスの日東紅茶も備蓄。(普通の紅茶もあるでよ)
お湯をわかすのがめんどうだからウォーターサーバーを入れました。
おかげで、いつでも暖かい飲み物が飲めるという。
ときどき喫茶店に行きたくなったら事務所に行って好きなお茶を飲みます。
目をつぶって、大阪時代の朝のおじさんたちを思い出すんです。
23区の真ん中でまだ抵抗している私なのでした。
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