第5話 婚活写真にまつわる天国と地獄

先日、夫とともに、写真展に行って参りました。

ただの写真展じゃないですよ。

誰でも知っているあの篠山紀信の写真展、その名も「写真力」!!


そう、写真には力があるんですわ。

婚活も同じ。力のない写真と、力がある写真、力がみなぎっている写真。


「少し年はいってるけど、美人やから会おうかな」とか

「イケメンなら年収300万円台もOK」とかね。

そういう感じで、写真が身を助けるなんてことがあるんですよ。


だから、私の結婚相談所では婚活専門の写真館で写真を撮ってもらうことが鉄則です。ただ、鉄則とはいっても、つれて引っ張って行くわけにはいきません。

いつまでも自撮りっぽい写真しか渡さない人も年に数回程度現れます。


そういう人は、かなり悲惨な婚活になります。

なぜなのか。

それは、存在が雑な印象になるからです。


写真というのは、その人の姿だけではなく、魂のようなものがいやでもむき出しになります。


笑っていないですましている女性の写真。ダメです。

なんで笑ってないのって思います。

結婚した後の仏頂面が想像できて、萎えます。


自分が一番美人に見えるポーズはだいたい上目遣いですましている写真なものだから、美人にとられようと頑張ってしまうことが背景としてあるのでしょうかね。


男性で自信なさそうに猫背の写真を持ってくる人いますね。ダメ。

素敵な笑顔をしているんだけれど、後ろがふすま、クローゼットの木目の人。

もっとダメ。めっちゃ貧乏くさいから、印象が悪くなります。


まあ、一言で言うと、

何の覚悟もない雑な写真は、結婚に対しても覚悟があるように見えない。

結婚で起こる困難は受け止めますという魂の強さを感じない写真はすべてダメ。


「あんたの人生はそんなに軽いんか?」

と思われるような写真を出したらあかんってことです。


逆に魂の強さを感じさせる写真というのは、ちゃんと意図のある写真です。

「結婚したらこんな素敵な笑顔で迎えます」とか

「結婚したら、頼りになる男ですよ」とか

そういう意識をもって撮影に挑むか、なんとなくパシャっとやってもらうのかでは

写真の出来は大きく変わっていきます。


まあ、時代がもう少し進んだら、「何でも来い、頼りになる嫁でっせ!」というポーズをとる女性がウケる時代も来るかもしれませんね。

まだ来ていませんよ。まだやらないでくださいね。



あら、気がついたら何にも篠山紀信の写真展の話をしていなかったですね。失礼しました。


少し面白いことがあったので、最後に書きます。


写真展を見終わって出口を通り抜けると、販売コーナーがありました。

不思議とポストカードコーナーはなく、写真集しかありませんでした。


写真集が2種類ありましてね、

1つが2,500円。もう一つがなんと15,000円です。

違いがなにかわかりますか。


ヌード写真集か、普通の写真集かという違いです。

立ち読み用に、2種類並んでおいてありました。


私が2,500円のほうを読んでいると、となりにいたおじさんがぐるぐるテーブルの周りを回り始めました。

没頭して読んでいて、ハッと気がついたらおじさんの数が増えており、おじさん集団がぐるぐる回り続けていました。


私は見本からサッと手を離し、2,500円のほうをレジで会計しました。


後ろを振り返ると、ずっとうろうろしてたおじさんの一人がヌード写真集を満面の笑みで読んでいました。


そこに奥さんがやってきて、あなたみっともないからやめなさいと怒られていました。

ヌード写真集、悩ましい存在です。


以上!


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