《半年前!2》

「さて、まずば魔法について教えるとするのじゃ!まず、魔法には7つの属性があり、それぞれ初級、中級、上級、超級が存在する。」


「属性は火属性、水属性、風属性、土属性、の基本属性と光属性、闇属性、の特殊な属性、そして、他の属性に当てはまらない無属性があるのじゃ!」


ヘえ!結構分けられてるんだな?


「転移魔法とかは何属性になんの?」


多分、俺が知ってるような魔法は沢山あるばず!


「転移魔法は無属性じゃな!それでじゃ人間は自分にあった属性の魔法を使うことが出来る。呪文さえ知っていれば大体の魔法は唱えられるが属性が合っていないと使うことはできん!」


ふうん?でも、確かアルティアは覚えればどんな魔法も使えるって言ってたから俺には関係ないな!


「基本属性や特殊属性ってのは?」


「うむ。基本属性は人間のほとんどが使える魔法じゃな。特殊属性は少し特別でのう、使える人間は少ないのじゃ!光や闇の魔法を使う者は他の魔法は初級までしか使えない事が多い。」


「最後に無属性は誰もが使える属性じゃが、初級魔法が少なく、後は上級しかないため使える人間も少ない。」


つてことは、転移魔法とかは上級かな?難しそうだし。


「大体、理解はできたかのう?アルティア様から、お主は全属性が使えるようになっていると聞いておるから問題はないじゃろう!」


「ああ、問題ない。すぐに教えてくれ!」


俺は早く魔法を覚えるため竜神に返事をする。


「よし、ならば場所を移動するのじゃ!近くに誰も住んでない島があるから移動するぞ?」


ここじゃ駄目なのか?と俺が聞くと


「ここは人間が住む場所も近いからのう!万が一、姿を見られると大変な事になってしまう。なに、終わったら連れてきてやるから安心するのじゃ!」


そう言って姿を戻す竜神。


「さあ、我の背中に乗るのじゃ。よし、行くのじゃ!」


それから数分。周りを海に囲まれた島の森の中心、そこに俺達は居た。


「さて、今からお主に魔法を教えるが我が教えられるのは我が知ってるものだけじゃ。他は自分で覚えていくしかないからな?」


へえ。まあ、それでも長く生きてる竜神なら沢山知ってそうだけどな?


「分かった。問題ない。教えてくれ!」


「よし。それじゃあ、まずは初級から教えていくぞ!」と


教えて貰おうとして一つ思い出した!


「そうだ!もし名前があるなら教えてくれないか?」


「ふむ。我の名か!最近は名前を呼ばれる事も少なくなったからのう!良いぞ。我の名は、ボイナ。竜神ボイナじゃ。ボイナと呼ぶがいい!」


「分かった。よろしく頼むボイナ!」


「では、始めるかのう。お主は剣も使うようじゃし、実戦形式で覚えるのじゃ!さあ、始めるぞ!」


ボイナはそう言って急に火の球を放ってきた!


「え?」




ボイナとの修行を始めて5ヶ月。


ボイナが知っている魔法は全部覚えた。さすがに上級魔法からは島にいる魔物を相手に練習したが強くなったのは間違いない。


剣の方もボイナを相手にして鍛える事が出来た。さすがに人間の姿になったボイナに吹き飛ばされたのはショックだったが。


「さて、修行も今日で終わりじゃ。良く頑張ったのう。」


「ありがとうボイナ!凄く感謝している!」


俺達は話をしながら5ヶ月間寝起きしている洞窟に向かう!


「よいのじゃ。それに久しぶりに地球人と話せて我も昔を思い出して楽しかったのじゃ。」


そう言って、懐かしそうな顔をするボイナ。


「俺以外にも地球人を知っているのか?」


ボイナが地球人を知っていると聞いて驚いた俺は思わず聞き返す。


「あれは、400年程前の事じゃったかのう。もっと昔は地球や他の世界からも召喚された者が沢山いたが、途中からは異世界の人間に会う事はなかった。」


途中で毎日精神だけを呼ぶことになったからだろうな。


「異世界の人間に会うことがなくなってからの数百年後、今から400年程前に地球から転生してきたと話す者に会ったのじゃ!」


転生者?


「転生なんて出来んのか?」


「普通は出来ん。そやつは地球の神でもある大地の女神ウルティナ様が特別に転生させてくれたと言っておった」


確か400年前の地球っていえば戦国時代か?


「へえ。羨ましいな!どんな奴だったんだ?」


「お主と同じように獣人族でな!闘いの大好きな奴じゃった。確か前の人生じゃ部下に裏切られて寺とかいう場所で死んだんだと笑っておったのう」


「そうなんだ」


なんか聞いたような話の気もするがね。


「さて、話は終わりにして今日はもう休むのじゃ!明日は朝早くに森の手前まで送ってやるからのう!」


「分かった。よろしく頼む!おやすみ、ボイナ!」


「ああ、おやすみ!」


翌朝、ボイナに乗せられ俺は[迷いの森ロスト·フォレスト]の前にいた。


「さて、これでお別れじゃが、お主には幾つか気を付ける事を教えておく。」


「気を付ける事?」


「そうじゃ!お主は獣人にしては強すぎる存在じゃからの。良いか?魔法が全属性を使える事は隠したほうが良い。」


「必要ない時は極力、人前で3属性以上の魔法は使わぬ事じゃ。3属性でも獣人にしては多いが少しならば存在する。全属性が使える事をバレるよりは騒ぎは起きないじゃろう!」


「全属性を使える人間って他にいるのか?」


「極少数じゃが存在する!それと上級と超級の魔法も使わんほうが良い。目立つからのう!特に超級は普通の人間には使えんからの。」


なら、何で教えたんだよ····


「なら、何で教えたって顔をしておるのう。お主が全部すぐに覚えていくから我も楽しくなってしまったのじゃ。すまん!」


そう言って軽く謝るボイナ。


「まあ、分かったよ。他には?」


「そうじゃな。お主の鑑定は相手のランクまで分かると言っておったのう、解析魔法じゃ分かるのは名前とレベルだけじゃ。他の人間には話さぬほうが良いじゃろう!」


まあ、俺にしかない能力だし言っても信じないだろ?


「次に、今までは呪文は唱えてこなかったが人前で魔法を使う際は唱えた方が目立たぬぞ!」


そうなのか?でも必要なら気にしないで使うぞ俺は。


「ふむ。後は、お主が持つミスリルの剣。それも出来るだけ人前では使わぬ事じゃ!代わりに我のコレクションの中から剣をやろう!人前ではそれを持つ事じゃ!」


そう言って空間魔法"収納"ストレージから剣を取り出す。


「ありがとう」


「後はこれじゃ。」


それから袋を俺に投げてきた。


「これは?」 


「中は金貨と指輪が入っておる!お主は無一文じゃからな。金がなければ街には入れぬぞ?」


マジか!?それなら有難い。


「ありがとう。それじゃあこの指輪は?」


「それは、ただの金の指輪じゃ。魔法を使う度に剣を構えるのも大変じゃろう。魔法媒体として使うが良い。」


「助かる。本当にありがとう。世話になった!」


俺はそう言って頭を下げる。


「気にするでない!我はゾーン大陸に戻るが大陸に来たら我に会いに来ると良い。また会えるのを待っておるぞ!」


そう言ってボイナは飛び立って行った。


「さて、俺も行くか!」


そして俺は色々あってから街に着いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る