一章 イース大陸

《街に着いた》

この世界に意識だけが来ていると知らされてから約1年。


つまりドラゴンに出会ってから約半年後。


「森を抜けるのに1ヶ月か」


現在、俺は[迷いの森ロスト⋅フォレスト]の上空をいた。


さすがに1ヶ月も飛び続けながら移動するのは無理だから森の中を歩きながらも進むのは速い。


森の中に入ってから何体かの骸骨を発見した。さすがに洞窟で見つけた様な物は見つからなかった。


死んでから何年も経っているのか持ち物は劣化している事が多く何も手に入らない。


森の中に入ると魔物によく出会うようになった。


砂漠に居たのと似たような魔物も存在すれば新しい魔物にも出会う。


それに空を飛んでいても魔物はいる。今も俺の前方に5体の魔物がいる。


{ワイバーン。レベル40。ランクC}


ドラゴンの亜種ワイバーン。この森の上空はコイツらの縄張りらしい。


俺はを抜いて5体のワイバーンを切り捨てる!


「"収納ストレージ"」


森に落ちたワイバーンを追いかけ空間魔法で収納空間にしまう。


ワイバーンを片付けて今日はもう休む事にする。


「"創造クリエイト"」


土魔法で簡単な小屋を作る!簡単には壊れないよう強度もつける。


「さて寝るか!」


魔法を覚えてからはいつもこうしている!




森に入ってから約1ヶ月。特に困る様な状況になることはなく俺は進み続けていた。


空を飛んでいると森の中から悲鳴が聞こえてきた!


人がいる!この世界に来て初めて出会う人間。俺は急いで悲鳴がした場所へと向かっていく。


「くそ、何でこんな事に!」、「いや、来ないで!」、「早く回復をかけろ」、「で、でも、もう魔力が!」


上空に着くと人族の男女4人組が魔物に襲われている所だった。どうやら女性の1人が襲われて怪我をしたらしい。


男2人が怪我をした女性に向かう魔物の気を引いて、もう1人の女性が回復魔法をかけているようだか魔力が足りないらしい。


「あれはサイクロプスか」


どうやら、Dランクのサイクロプスに襲われているようだ。あいつは目が弱点で倒すのは割と簡単だが力が強い。


「どうやら、あいつの棍棒をまともにもらったようだな、"風刃ウインド·カッター"」


俺は上空から魔法を放ち、サイクロプスを真っ二つにする。近くにいた男2人に血がかかってしまったが助かったんだから許して欲しい。


「「「「え!?」」」」


突然、真っ二つになった魔物に驚く4人。俺が地面に降り立つと


「え?」「じゅ、獣人!?」「何でこんな所に獣人が!」「こいつ、空から現れたぞ!」


と騒ぐ4人に俺が近くと男2人が剣と弓をこちらに向けてきた。


「獣が近づくな!」「近づくと弓で射るぞ!」


何で?助けたのに武器を向けてきやがったぞコイツら。女性達の方は助けられたのを理解しているのか何も言わないが俺を見る目には恐怖が感じられる!よく見れば男達の目も似たような感じだ。


『獣人ってだけでこうなるのか?』


〈人族にとって獣人は自分達とは似て非なるもので、中には獣人に対して普通に接する者もいますが普通は今の反応が返ってきます。特にマスターは獣人にしては強すぎるので怖く感じたのでしょう。〉


マジかぁ。近づくだけで今みたいな対応されるのは辛いな。


『これは、街に入るときは例の魔法を使った方がいいかな?』


〈はい。それが良いと思います!〉


俺が考え事をしている間も武器を向けている男2人。街での方針を決めた俺は女性に向けて回復魔法をかける。ついでに他の奴の傷も治してやる。


「"範囲回復エリア·ヒール"」


「「「「え?」」」」


俺は驚く4人をそのままに飛び立った!




あれから2日。俺は街の入り口に居た!

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