スシババアと駆け抜ける、海鮮系コメディ

とにかく笑いました。

ライトな文体でテンポよく読み進められ、ストレスフリーでゲラゲラ笑える。
色々疲れてしまったときに、特におすすめですね。

笑いにも『押しの笑い』『引きの笑い』と二種類ありますが、これは秀逸。物語やキャラクターは基本的に『引きの笑い』で構築しているのですが、登場するキャラクターが快活にセリフを回すことで『押しの笑い』の勢いも付加されているのです。
コメディって読むときはただ笑いながら始まりただ笑って終わるので、構成の奥深さとかには目がいかないのですが、そういうところに注目すると、この作品の笑いの次元の高さを知ることができるかと思います。

また、4話構成で1話ごとに必ずオチが付いており、各話ごとに必ず笑えます。
1つの短編を読む過程で、4つの短編を読んでいるような感覚です。
1つの中に色々という感覚を例えるなら、まるでカルフォルニアロールを食べているような……なんて言うとスシババアに怒られてしまいますね。

怒られると言えば、怒られるすれすれを攻める姿勢が素晴らしかったです。エッジの効いたコメディセンス、必見です。

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