第4話 2019/10/18 口は災いの元とか

 本日は9時起き。一晩寝たら、鼻風邪も治まった。やれやれ。

 今朝は6月にプランターに植えたサツマイモを掘った。大した量は取れないだろうなと思っていたのだが、ホントに大した量が取れなかった。ちょっとガッカリである。しかしまあ、ゼロではなかったのだから良しとしよう。来年また頑張るかな。


 口は災いの元と言う。虫けらもこれまで生きてきて、言わんでもいい事を言ってしまった事が山のようにある訳だが、何とか生き残って来れたのは幸運だったのだろう。そんな事もあって、虫けらは責任ある立場になるのが嫌である。他人の上に立つのが大変に怖い。己がそんな器ではない事を十二分に理解している。この判断は間違っていないはずだ。

 だが世の中にはそういった判断が出来ない者も居る。口が軽いにも関わらず、責任重大な立場に自ら立とうとする者が。たとえばアメリカ大統領とか。

 16日、ホワイトハウスにイタリアの大統領を迎えての記者会見の際、記者がトルコに配備してある核兵器についての質問をした。先般よりトルコがシリアに軍事侵攻しているが、インジルリク空軍基地にある核の安全管理は大丈夫なのか、と。それに対してトランプ大統領はこう答えたのだそうな。

「我々は信頼している。この基地は極めて強力な空軍基地である」(CNN)

 さも当たり前のような回答だが、これはインジルリク空軍基地に核兵器が配備されている事を認めたという事だ。無論、この空軍基地に核があるのは、以前から知られていた。だからこその記者の質問だったのだが、いまだかつてそれを認めた大統領は居ない。いわゆる公然の秘密というヤツだったのだ。

 考えなくても当たり前の話である。アメリカ国外のどこに核兵器を置いているなどという情報は、国際関係に大きく影響する。アメリカとロシアとの関係に影響するのはもちろん、今回で言えばトルコとロシアの関係にも影響を与えるのだ。

 たとえ常識のレベルで、トルコの核兵器の存在が知られていたとしても、政府がそれを認めてはいけない。もし将来何かが起きたとき、インジルリク空軍基地がロシアのミサイルに先制攻撃されるのは、これで決定的となってしまった。ポーカーの手の内を明かすに等しい、敗退行為である。

 これ日本にも他人事ではない。おそらくアメリカ軍は日本にも核兵器を持ち込んでいる。しかし建前として日本には非核三原則があり、核兵器は国内に存在していない事になっている。もしトランプ大統領が口を滑らせて日本の核兵器に言及すれば、日本政府は上を下への大騒ぎとなるだろう。ロシアも黙っていないはず。安倍首相とプーチン大統領の個人的な関係など、一瞬で吹っ飛んでしまう。何もかもがおじゃんになるのだ。

 事ほど左様に、口の軽い人物が人の上に立つと碌な事がない。国外の対抗勢力にとって、特にロシアにとって、こんなにやりやすいアメリカ大統領は居ないだろう。「使者が有能ならば何も与えず返せ 使者が無能ならば大いに与えて歓待せよ」と言われるが――出典は中国の『六韜りくとう』らしいが良くわからない――使者どころか相手のトップがこれなら、当分ロシアは安泰である。先の大統領選挙に本当にロシアが介入したのかは不明だが、確かにこんな結果が得られるのなら、介入するだろうなあ、と思うところ。


 さて一方の当事者であるトルコであるが、昨日17日にエルドアン大統領とアメリカのペンス副大統領が会談し、シリアにおける軍事作戦を5日間停止、クルド人勢力が国境地帯から撤退した事を確認した後に作戦を終了すると発表した。

 これ、相当な見返りがあったと考えるべきだろう。ただ単にアメリカに言われたから作戦を中止するなどと言えば、トルコ国内の右派勢力が黙っていない。それを押さえ込めるだけの何らかの見返りが約束されなければ、軍事行動を止めるに止められなかったはずだ。

 そもそもアメリカの停戦要請に対し、エルドアン大統領が、

「アメリカは『停戦を宣言しろ』と言っているが、我々は決して停戦宣言などしない」

「アメリカは我々に軍事作戦を止めさせるために圧力をかけ、経済制裁を課した。我々の目的は明らかだ。我々はいかなる経済制裁にも不安はない」(以上BBC)

 と発言したのが15日である。そこから2日での急転直下、ただ話し合って説得されたなど有り得ない。果たして何を約束したのか。それによっては今後さらに事態が混乱するやも知れない。何せ口の軽いトランプ大統領である。約束の内容をバラしてしまう恐れがある。関係者はヒヤヒヤしているのではないか。


 今月22日に予定されていた天皇陛下の即位祝賀パレードは、来月10日に延期になった。まあな、日本中がてんやわんやのこの状態で、「おめでとうございます」は言いづらいし、言われる方も微妙だろう。仕方ないのではないか。

 なお『即位礼正殿の儀』は予定通り行われる。これは本来的な意味はともかく、メインが外交的な行事だし、行われても国民に影響はほとんどないだろう。テレビ中継を楽しみに待ちたいところ。


 昨日17日、イギリスとEUは離脱協定案に合意した。合意案は即日EUの首脳会議にかけられ、承認された。あとはボリス・ジョンソン首相がこれをイギリスに持ち帰り、下院議会で承認されれば、10月31日にめでたくイギリスのEU離脱は完了する。

 合意案の内容についてはまだ断片的にしか出て来ていないので判断は出来ないが、とりあえずバックストップ条項は削除された模様。これについてジョンソン首相は自画自賛しているようだ。

 しかしこの合意案が下院議会で承認される可能性は低い。特に北アイルランドがEU経済圏に事実上残留する事について、与党保守党を閣外協力で支える北アイルランドの民主統一党(DUP)は、現状では支持できないとすでに明言している。野党労働党や自由民主党も不支持を表明しているし、かなり難しい。このまま合意なき離脱へと突き進むのではないかという気がする。まあ首相が首相だから、それが既定路線なのかも知れないが。


 オランダで終末を待っていた家族の話は一昨日書いたが、やはりカルトが背後に存在していたらしい。一家は全員、世界基督教統一神霊協会、いわゆる統一教会と関係していたようだ。また家族ではない58歳のオーストリア人の男は、統一教会ではない可能性もあるものの、これまた何らかのカルトに関係し、日本人女性との間に子供が居るとのこと。

 日本人の入ってるカルトかあ。まあ統一教会には日本人信者も多いはずなのだが、もしかしたら日本発祥のカルトかも知れない。どことは言わないが。

 とりあえず、父親とオーストリア人の男は、監禁容疑で逮捕された。今後さらに詳しいことが判明するのかも知れない。続報を待ちたい。


 今日は何も出来そうにないな。まあ大根は煮てあるし、なんとでもなるだろう。芋は数日天日干しをして、1ヶ月ほど保存する。その間にデンプンが糖に変わるのだ。来月には甘い芋が食える予定である。何ともコストパフォーマンスの悪い事。とは言え家庭菜園など趣味だからな。僅かでもリターンがあれば良しとすべきであろう。

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