第11話:キャラが立つとは?

 応募作は現在十一話目のセリフを考え中です。少し詰まったのでちょっと一息。


 今回は「キャラ立ち」について、私が現在進行形で勉強しているというか格闘している内容のお話です。


 Webの辞典とかで調べると「キャラクターが立つ」とは「個性が確立していること」みたいな感じに要約されています。


 個性とは何か?


 喋り方であったり、口癖であったり、考え方であったり、哲学であったり、経験の積み重ねであったり、強烈なひとつの経験であったり、見た目であったり、体型であったり、特技であったり、苦手なことであったり、頭の良さであったり、おバカなところであったり、性格であったりと挙げていけばキリがありません。


 要はそのキャラを形作っている特有の性質が個性にあたると思うんですが、その個性が確立、つまり確固となっていれば「キャラクターが立っている」のだと、最近考えるようになりました。


 よく偉い人にキャラが立っていないと怒られます。偉い人は何に怒っているのでしょうか?


 個性が確立していないからでしょうか?


 コレは凄く難しい問いかけで、例えば「ものすごく平凡なありふれた個性」が確立しているキャラクターも、上の考え方ならキャラが立っていることになります。


 でもそんなキャラクターは、偉い人がいうキャラが立った状態には、なっていないような気がします。ニュアンス的に。だって平凡なキャラクターがありふれたことをしても、物語としては面白くないですから。


 平凡な個性の人が、平凡ではないことを容易にこなしてしまっては、もはやその個性は平凡ではありません。リアリティに欠けます。読んでいて萎えます。


 平凡なキャラクターが特異な状況に置かれて変わっていく。つまり、成長したり個性的になっていくのであれば、物語としては面白くなりそうですけどね。ですが今回それは置いておきます。


 だから私は、いわゆる個性的なキャラクター、言い換えれば、平凡ではないキャラクターを偉い人が求めていると仮定して話を進めます。


 私は以前、個性的なキャラクターを演出するために、喋り方や口癖でのみ書き分けていました。ですが冷静になって読み返してみると、セリフ回しや、やり取りが寒いんですよ。


 ギャグとかジョークを入れるとそれはもう寒い寒い。恥ずかしくて鳥肌がたってしまいます。


 なぜそう感じるのか?


 必死に考えた結果、リアリティーの欠如だという結論に達しました。ここでいうリアリティーとは、例えば独特な発言をしたキャラクターがいたとすると、その発言に至った明確な理由や背景が有るか無いかということです。


 例えば、主人公に小粋なセリフ回しをさせて読者を笑わせたい。そう思ったとしましょう。


「カクヨムでロイヤリティプログラムが始まったんだって? 俺にそんな無粋なものは必要ないぜ。俺が欲しいのはな、沢山の星と勇気づけてくれる応援コメントだけだ」


 全然小粋じゃねぇよ。という苦情は無しの方向でお願いします。


 さて上のセリフ、ロイヤリティプログラムで得られる利益よりも、星が増えて書籍化して得られる利益のほうが欲しいと思っている作者キャラのものだったら、笑ってはくれなくとも、納得できますよね。不自然さはありません。


 でも、PVを増やすことに心血を注いでいる、しかも広告を表示させている作者キャラのセリフだったら? 白々しいとは思っても、決して共感することはないと思います。ましてや笑いなど誘えず、寒々しく私は感じます。


 つまりなにが言いたいのかというと、セリフだけでキャラクターは立たない。ということです。全く同じセリフ回しでも、キャラの性格と合致していなければリアリティを欠きます。キャラ立ち以前の問題ですね。


 つまり、キャラを立たせるには、セリフにリアリティが出る個性や背景がキャラに有って、その個性や背景を十分に地の文で描写しておく必要がある。


 その上で、セリフ回しのセンスが問われるという、まさに作者泣かせの難敵です。


 君の作品はキャラ立ちがいいね。偉い人にそう言ってもらえるように頑張ろうとは思いますが、それは永遠にかなえられない夢なのかもしれません。



 今回はココまでです。

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