第一首 唐揚げ 三句

 ──────おれは元々、相当数の本を読む、いわゆる読書家だ。

 じいさんが死んで、おれが無類の本好きだということを知っている叔父や叔母が、じいさんの遺した書庫蔵をおれに譲ると申し出てきたのだ。

 訊けばどうも、遺書に書いてあったらしい。

 以前からこの書庫蔵が気になっていたこともあり、おれはすぐに承諾した。

 叔父から蔵の鍵を受け取ったが、そのときの彼の面相は、優しさによって生じた微笑みではなく、安堵の笑みを浮かばせていた。──なぜならその実、この書庫蔵は、もとよりじいさんとおれを除いた親戚全員から気味悪がられていたからだ。

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