~入学式-4~

私が結城さんを避けだして、かなり日にちが経った頃。

制服も冬服から中間服に。

そして中間服から夏服に変わった、そんなある日。

私は沙羅ちゃんと町に遊びに来ていた。




「なぁ、悠奈?アンタ結城を避けてるんだって?」

「沙羅ちゃん?何でって、あっ!聞いたの?」




葉山さんだもん。

話してるとは思ったけど。




「うん。あの馬鹿、理由知りたがっていた」

「そう……」

「そんなに結城に知られたくないのか?」




沙羅ちゃんだってわかってるじゃない。

もしバレたらどうなるか。




「だって……結城さん、嫌と思うから。昔の仲間がそんな事してたなんて聞いたら……」

「確かにあの男は、嫌がるかもしれないが……。それよりは、悠奈がそんな目に合わされたのが嫌と思うけどな?」




結城さんは私が好き。

それはわかってる。

約束破れば、みんなが……。

あの2人はやると言えばまたやるよ。

結城さんに近づけば、また皆の居場所突き止めて痛めつけられるから。





あの人たちはそういう人たちだから……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る