真っ暗な世界。雰囲気。葬式からはじまる静寂のミステリ

ミステリらしい漆黒の雰囲気に包まれた、どこか不気味な怪しい気配。そこで息づく人たちもまたどこか陰鬱で、葬式という物静かな空気から物語ははじまります。それが悪い空気とかではなく、読む人はおそらくそういうものを求めていて、この物語を読みすすめていくことになると思います。人々もどこか静かで、なにかを企んでいそうで、どんな秘密があるのか、気にかかります。
大体にしてミステリというものには事件の謎が解き明かされる時に人の秘密みたいなものが明らかになって、というものなわけですから、まだ続きであるなら余計にその秘密は気にかかります。楽しみですね。

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悪魔の葬列