自分の生命を維持するだけなら恋愛は必要ない

歩く屍

第1話 恋愛なんてくだらない

「生命を維持するだけなら恋愛は必要ない」


 俺、命月真(めいげつ まこと)が考えた言葉であり、略して生命恋愛である。

 恋愛がないと生きてて楽しくない?、いや生きるだけなら必要ないだろ。

 少子高齢化?、俺を巻き込むな勝手に子作りしてろ。

 年老いたとき他の人に介護される生活になるよ?、させればいいだろ!違和感あるかもしれないし恥ずかしいかもしれないけども!。

 恋愛に対してひねくれた考えしかできない真は今日もいつものように学校へ行く。


(はいはい、いちゃいちゃして無駄な時間過ごしてるカップルご苦労さん)


 登校中カップルを見ると、心の中で嘲笑う。

 そんな俺だが、今日は厄日らしい。

 それは今日の授業終わりの昼休み。


「誰もいない学校の屋上で食べるご飯は最高だな。風は少し強いが人がいなくて何倍も美味しく感じる」


(一人の時間が好きだ。落ち着くし、過去の出来事さえ……忘れられる)


 落ち着いてご飯を食べていると、そこへ一人の女子が扉を開け入ってくる。

 容姿の特徴は、短髪に運動でもしているのだろうかというほど、スラっとした体型。

 その姿とは裏腹に、可愛いうさぎ柄のヘアバンドをしている。


「質問いいか。何で誰も来ないはずの屋上に来た?。こんなところに用事なんて無いと思うんだが」


 質問する真だが、そこで女子が話し出す。


「な!なぜわかった!、まさか私の気持ちを理解しているのか?。いや、今回が初対面のはずだ。けど…………」


 なんだか訳のわからないことをぶつぶつ聞こえる音声でつぶやく。


「とりあえず理由を言え。

 飯が冷めるだろうが!」


 昼食の邪魔をされ怒る真だったが、衝撃の告白を受けることになるとは今は思ってもいなかった。


「ええい!もうヤケだ!。ふぅはぁー。

 私は2年の恥影小苗(ちかげ こなえ)

 お前が好きだ!!付き合ってください!」


 こうして真に春が来てしまったのであった。


「恋愛はくだらないので帰ってくれ!あ…」


 条件反射で口走った言葉は、

          彼女の心をえぐった。













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