天までとどけ

誰かの送別会から約4か月

うちの部署に新入社員が配属され、その歓迎会が行われた

新入社員は22歳の女の子

若い…

コロコロと笑う

若い…


例によって僕は座った席から移動する事はない

ただ近くに座った人とお話するだけ

今日の話し相手は、僕より10歳くらい若そうなパートの斎藤さんとイスラム美人


ここで初めてイスラム美人の苗字が判明

イスラム美人改め、真木さんである


とりとめない話題でで盛り上がっていたのだが

斎藤さんが何やら興奮気味に語る


真木さんの下の名前は眞紀さん

真木眞紀さん?

マキマキさん?


斎藤さん曰く、マキマキさんと言う名前になってしまうにのも関わらず、と言うかそんな事は問題もせずに結婚した絆の強い夫婦らしい

何故か感激しまくっている斎藤さん

僕には全然響かなかったし、寧ろネタかとも思ったが、斎藤さん的にはドストライクだったのだろう


マキマキさん

これがイスラム美人のフルネーム


しかし、同僚をフルネームや下の名前で呼ぶ事は特殊な場合しかない

そう、苗字が被った場合だけ

なので、イスラム美人改め真木さんの認識でいくことになったが、脳内ではマキマキと呼ぶ

流石に他人の名前を小馬鹿にしたりはできないので、あくまで脳内で

相変わらず仕事での接点は無いので、脳内でマキマキと呼ぶ事も殆ど無い




しかしある日、外回りへ出かける僕と出社するマキマキが1Fのエレベーター前で顔を合わせた時の事、唐突に


“いつ飲みに連れて行ってくれますか?”

と、マキマキ


ん?

そんな事言った覚えは無いが・・・

ここで引いては漢がすたる

ならば


“じゃあライン交換しよっか”

と、僕


“じゃあこれ”

と、携帯を差し出すマキマキ

彼女も躊躇しては女がすたるのか?


僕も頷いて携帯を取り出し操作しようとしたが、やり方がよくわからない・・・


なのでマキマキに携帯を委ね、無事ラインID交換完了


“今度都合付けて連絡するよ”

と、言い残しそのまま外回りへ


“いってらっしゃーい”

と、マキマキ


振り返らず無言で手を振りながら去る僕

別にカッコ付けてたわけでは無いが

決まった・・・

と、思ったような気がした

阿保だ


これは勘違いかもしれないが、マキマキは僕に対して多少の好意はあるんだと勝手に思い込む事にして、翌日にはお誘いのラインを送信



僕:来週の金曜とかどうかな?

マ:大丈夫です

僕:なんかリクエストありますか?

マ:おまかせします


あっさりデート取り付けたよ

さて、何処の店にしようか?

予約しといた方が週末だし確実だと思い、検索しようとした刹那


マ:斎藤さんも誘っていいですか?


ん?

ん?

ん?


ま、そんなに世の中甘く無いか・・・

動揺を悟られぬよう、間髪入れずにこちらも返信


僕:もちろんOKです

僕:こちらも津島を誘っておくので4人で飲みましょう

津島と言うのは僕の弟子


マ:楽しみにしてます

僕:店決めたら連絡入れます

僕:1730開始でOK?

マ:OKです

マ:楽しみにしてます


デートと思いきや、少しマイルドに4人飲みとなってしまった

でも、普通に考えて同僚の異性と二人きりでお酒とかあり得ないので、特に落胆も無くお店を検索


以前から一度行ってみたかったトルコ料理店にしました

嵌っているトルコドラマの影響ですが、無意識にイスラム美女のマキマキにふさわしい店を選んでいたのかもしれない


2対2で飲み会とか、なんか合コンみたいで萌えます

たまにはこんなお楽しみもあって良いよね?


ちなみに出欠について選択の余地は津島には無い

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