前触れ


通行人が

叫び出した

前触れは

無いようだった

少なくとも

そう見えた

いきなり

風船が破裂したみたいだった

だから驚いた

だがそれは間違いだったのだ

通行人は

ただ

線を越えたのだ

ある日、容器からこぼれ落ちる水

そしてもう二度とその手前には戻れない

わたしは壊れた人形を握り締め

それに名付け

愛した

だからなんとか無事にやり過ごすことが出来た

根本的な解決には至らずに


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