ふわふわとした絶望感

パパシモン

第1話 流れに抗えない無力感

「お前も社会の波に揉まれて生きていくんだぞ」どこぞの方が偉そうに言っていた言葉が、バカらしく思えた。だいたい「波」って何?含みがありすぎる。煩わしいから自分の事だけ考えればいい。ただ、生きていく為にはお金を自分で獲得することが世の中の決まりになっている。


どうやって獲得するのか?


自分の身体を動かして、会社の業務にならって作業する。そして、お金を獲得する。それしかねぇ。思い込みだ。ネットだなんだの電子機器で一攫千金を狙う才能や師もいない。年齢が経ってくると何かしら煩わしさが出てきた。これはなんだろう。なんで煩わしさが出てくるのか?性格か年齢から来る老化現象か。煩わしさの原因を探る暇があれば、アルバイトすればいい。


現実を見事に解離させてくれるのは、以前はテレビで今はネット動画。現実の世界はただただアルバイトの世界。人は身近にいるが、話は業務的な話し。多少身内的な話しはあるが、語るエネルギーは無駄と思う考え方なので、多少ウソを混ぜてその場を上手に終わらせる。アルバイトで稼ぐ金額は月単位で消えていき、貯金という発想はあっても、貯金する意味がわかっていない。


「あなた偏屈だよね」母親は、そう言った。この母親、おもしろいこと言う。あなた両親の生き方を目の前で見てきて、その生き方に嫌気が出た。我が子のために一生懸命になってお金を獲得して、私にお金を費やしてくれた。暗にその金を返せ、と言わんばかりの発言だと余計に考えを足して受け止める私。偏屈だと認めればいいんだが、そうしない。負の感情が邪魔してくる。何なんだろう?


今、41才なんだよな。こころは、ガキのまんま。


年齢的にいえば、社会としてはバリバリ働いて家庭を持った年代と見られてもいい。だがこの世代の背景は「就職氷河期」であり、派遣で食いつなぐ同年代もいるかと思われる。すべて、テレビで知り得た情報だ。そう!テレビと共に過ごしてきた。情報も知恵も流行りもテレビ。興味ある番組が終わったときのロス感覚。スゴいエネルギーを使って視聴していたと後悔する。平成不況、失われた20年・・・。全部テレビの情報。その現実にいた私は、普通に生活していた。誰がこんな言葉作って世の中を振り回しているのか?、共感している人は絶望しないのか?今を思うに、平成不況なんて耳に入ってこない。失われた20年を言うなら我々は何で生きてこれたのか?何が失われているのか?いちいち1人の人間に書いた人間が答えてくれるか?不況のネガティブキャンペーンがもろに刷り込まれている。






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