草木も眠る丑三つ時。じっとりと重い空気の中、俺は懐中電灯だけを持って廃病院を歩いていた。

 隣にいたはずの友達は、いつの間にかどこかに消えてしまっていた。病院の中を隅から隅まで探し回って、探してないのはこの廊下の突き当たりのドアの向こう――それだけだ。

 俺は汗ばんだ手でノブを掴む。懐中電灯が嫌な音を立てて瞬いた。自分の息の音だけが響く。一秒……二秒……永遠とも思える時間の後、俺は勢いよくノブを引く。部屋の中が目に入る。俺は真っ蒼になって悲鳴をあげた。


「ドッキリ大成功!」

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