ただ言いたいこと

白野 音

透明

 生きることは辛いですよね。例えば、上司など人との付き合い、親族トラブル、自己嫌悪、友達関係云々、もちろんこれ以外にもあると思います。

 自分はいじめられてました。誰にも話せず、ただ我慢することしか出来ませんでした。親に迷惑をかける、友達にどう思われるか分からない、と。その時は生きるのが辛かったです。何度も死ぬことを決めてやってみたもののダメでした。

 どこか死にたくないって気持ちがあったんですかね。それは分かりませんが。


 その頃は生きてても辛いだけ、そう思ってました。将来なんかどうでもいい、悲しくなるなら終わりでいいやって。結局楽しいことなんか起きないとそういう気持ちでしか生きれませんでした。

 他の人から見たら甘えてると思われるのかもしれません。でも自分は辛かったです。辛いなんて一言で表せないような、辛さでした。

 鉄の鎖で心臓をキュッと締め付けて、その後は針やら刃物で心臓をブスブスと刺していく。しまいにはそこに一酸化炭素を充満させたような、そんな辛さでした。

 痛くて。苦しくて。悲しくて。辛くて。混乱して目の前が見えなくなって。呼吸がうまくできなくなって。手の感覚さえなくなって。体の自由を失って……。


 こんなに生きるのって辛いんだって思いました。心の余裕なんかなかったです。ゲームがすごく好きですが、ゲームすら楽しくなくなったときはもうなにも満たしてくれないんだって思いました。

 他人は私を傷つけるだけなんだって。麻薬と同じで私を蝕んでいくんだって。そう思ってから人と話さなくなりました。

 他「この問題わかる…?」

 私「うーん…(時間を使う)」

 他「そ、そう…ごめんね」

なんて会話がしょっちゅうでした。今までよりも圧倒的にと言っていいほど言葉を発することがなくなりました。

 ああ。うん。そうだね。そうなんだ。へえ。すごいね。いいね。まあ。うーん。ありがとう。ごめん。この言葉達しか使えなくなってしまいました。

 人が怖く感じるようになりました。人を信じることが苦になっていきました。


 そこから自己嫌悪に襲われるようになりました。いじめられるのは私のせいだ、なんでこんなことすらできないんだ、と。その後は幸せを拒むようになりました。仲良い友達をあえて引き離すようなことをしてしまいました。


 負のスパイラルでした。


 明るさが怖かったです。真っ暗な部屋で一筋の光を見てもそれから逃げて逃げての人生でした。その光は私を助けてくれるかもしれないけど、その光で傷つくかもしれないという風に。

 まさに社会不適合者。

 所詮、人なんて口だけで本気で思ってないとかマイナス方向にしか考えられなくなりました。


 暗い子になりました。

 グループを作ってと言われて余り物になってしまうような暗い子に。


 私はきっと私のことしか考えられませんでした。自分が辛いからって自分のことばっかり考えてました。良くなかったと今では思えます。

 でも過去の自分になにか言うとしたらきっと辛い言葉を言えません。自分が手放したのは人を信じる心で、自分が手に入れたのは甘ったるく感じるほどの他人への優しさでした。

 愚かな人間になりました。人間失格、知ってるとは思いますが太宰治さんの本です。とてもあれは感銘を受けました。自分も同じだと、そう脊椎にスッと入ってきました。


 自分の友達に自分を救ってくれた人がいます。友達と言えるかどうか微妙ですが。その人が言ったのは、「他人になろうと思えばなれるでしょ。ならなかったのは自分が自分として生きているからだよ」と。いつの日か忘れてしまった"自分"を呼び起こされたような気がしてすごくその夜は泣きました。次の日にちゃんと彼にお礼を言いました。


 自分はそこで自分らしく生きていこうと思いました。


 学校とか部活とか友達関係とかめんどくさいものはめんどくさいし、辛いものは辛いけども、今までよりは心が軽くなりました。

 意味なんてなくても生きてていいんだって心から思えました。

 生きてることはえらいです。これだと自殺が悪いみたいな語弊を生んでしまうかもしれませんが。私は生きてるだけでえらいことなんだと思います。だから自分を褒めてあげてください。

 私みたいに自己嫌悪ばっかで死のうとしないで、たまには褒めてあげて甘やかしてあげてください。


 そしたらきっと他人が言った透明の言葉の色が見えてくると思うのです。

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