第一章 令和元年版? 学園の七不思議。

第四回 梨花は理科が苦手?


 ――と、いうよりも、食べ物の好き嫌いみたいに嫌いな科目だ。



 お友達が言うの。「それは食わず嫌い」だって。


 でもでも、そんなことない。……って、猛抗議。


 ……それだった。


 喧嘩の原因。グリンピースを食べるよりも嫌だった。期末考査の最終試験が、よりにもよって理科だった。お友達は試験開始までも、ウェストミンスターの鐘が鳴るまで、「一緒に勉強しよっ」って言ってくれた。「教えてあげるから」とまで、言ってくれた。


 なのに、僕は「やだやだ」の繰り返し。

 最後は「フン!」「勝手にしなさい」……だった。


 そこから無視……口も聞いてくれない。

 下校も、一人ぼっち。黙って、先に帰っちゃった。



 ……だから、『りかのじかん』

 実は二つ意味があった。それが、もう一つの意味。


 それでもって好きな科目は図工。……最近は、国語も大好きになった。先生がとてもいい。既婚者で三つくらいの子供がいるけど、とても素敵。憧れの人なの。


 昔のスポ根アニメを連想させるような展開だけど、

 僕にとっては、イケメンのコーチ的な存在だけど、

 ……スポ根ではなく演劇部。文科系だ。


 それもイケメンではなくて、……年相応に見えないキュートな女の子。


 いやいや、もう一児のママ。……二十九歳だ。お友達よりも親密。そして今、朝の公園で二人きり。もちろん偶然だ。まるで愛の告白のような展開で、とある小説サイトに『りかのじかん』の連載を始めたことを告げたら、ニッコリと、丸い笑顔で、


「応援するからね」と、言ってくれた。それと……イニシャルは『M』と言った。



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