第11話 動物園のアイスクリン(中編)


パンダの飼育されているパンダ館に来ましたが、人めっちゃ多いですね。


パンダのお母さんと、赤ちゃんはそれぞれ別の部屋に入れられていました。


なんでなんでしょう?


パンダの入っている部屋は、ガラスばりになっていて、そのガラスの前に、みんな群がっています。


特に赤ちゃんパンダが見られるほうのガラスの前は、もう入り込める隙間がないくらいに、人でいっぱいでした。


私たちは先に、親パンダのほうを見ることにしました。


「パンダかわいいー」


そんな声が聞こえましたが、正気でしょうか。


もっとよく見て下さい。


あの黒くて、ビー玉みたいな目。どう猛な牙の生えた口元。


こんなの白黒じゃなかったら、ただのクマじゃないですか。


こわい。


イラストのパンダなら好きなんですか、生のパンダは怖いです。


赤ちゃんパンダのガラスの前が空いてきたので、K太くんとそちらのほうに移ります。


赤ちゃんパンダのほうが、丸っこくて、かわいいですね。


親パンダよりも、赤ちゃんパンダのほうが人気だったので、親パンダが可哀想にも思えましたが、これはたしかに赤ちゃんのほうが可愛いです。


いや、パンダ的には、ジロジロ見られるのは、迷惑なだけかもしれませんが。


K太くんも、食い入るような目で、じっと見ています。


楽しんでくれてるようで、よかったです。


「パンダの赤ちゃん、かわいい」とK太くんは、はしゃいでいます。


K太くんのほうが可愛い。


さて、パンダを見た後には、ゾウを見に行きました。


ゾウ、やっぱり大きいですね。


このサイズの生き物がすぐそばを動いていると、ちよっと恐怖感がありますね。


大きな溝みたいのがあって、こちらには来れないようになってますが、もし私たちのほうに突進できたらもう終わりですよ。


踏みつけられなくても、あのぷらぷらしてる尻尾が当たっただけで腕が折れそうです。

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