幕間 サイドR 元兄と元妹
わたしの名字は、
高校は、なんとなくで選びました。特にこだわりもなく、友達もいなかったので。そして、入学してみると、驚きました。壊与兄さんがいたのです。桜の木の下で女性と話していました。まさか、また会えると思っていませんでした。だから、声をかけたのです。
「壊与兄さん?」
「え、真唯か? 久しぶり! 緋、先行ってろ」
「……わかった」
なんだか、性格が変わったようでした。なんというか、チャラくなったような。
「さっきの方は?」
先ほどまで横にいた女性について聞きました。すると。
「ああ、翔琉の元カノ。今は俺が彼氏だ」
「そうなんですか」
次の言葉でわたしは心が寒くなりました。
「あいつ、何回か抱いたら俺になついてよお」
「……は?」
「奪った訳だ。あいつにはもったいないからなあ! ハハッ!」
……人は数年でここまで変わるのか、と思いました。
「……そうですか。ではわたしはここで」
「おう、じゃあな!」
どうにかしてあいつを絶望させなければ、と思いました。あんな奴、兄だと思いたくありません。
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