第3話

死にたいという気持ちに振り回されるようになったのは結構最近で、まあそうじゃなかったら本当に死んでる可能性が高いから納得。というところだけど

これ、本当は死にたいって欲望じゃなかったはずなんだ、寂しさとかつらさとかストレスとかそういうものが煮詰まると最終的に同じようなどす黒い色に変わるってだけ。

理由ない暴力のように私を引き裂くこの欲望と生きている限りこれからも付き合っていくと思うと死にたくなる。


「やまない雨はない」と晴れた場所から励ます人が憎らしくて羨ましくてそういう自分に気がついて絶望して。見える景色が、感じる聞こえる音が、人の言葉が、その全てが、私の上に真綿のように覆いかぶさり、重なるようにして「死にたい」に収束する。そうなると私は眠るしかなくて、一生寝ているのと死ぬのは何が違うのか、と、寝過ぎで皺が伸びきってツルツルになった脳みそで考える。また1日やり過ごした。死ななかった。よかった。よかった?何がよかった?ああ私は終わりにしたいのだ。逃げたいのだ。スリープとリセットはどこか似ていて、決定的に違う。わたしは目覚めたくないんです。ただそれだけなんです


雨降っただけで死にたくなるなんて人間としてなんか間違ってるよね?

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