アースティア大戦史・歴史紀行・第2回 

アースティア大戦史・歴史紀行・第2回 


福井県・敦賀市。 


 日本国を含めた東アジア地域最大の転移災害での最初発端と成ってしまった定期フェリー船・あさくら号は、今も敦賀市に福井アースティア大戦終戦記念館のモニュメントとして、保存されて居ます。


 当時のあさくら号は、福井県にある定期船フェリー会社である朝倉フェリー株式会社の定期船として運行されて居ました。


 ですが、アースティア大戦の英雄と成っちゃた高見竜史は、戦国時代の歴史探訪をする高校卒業旅行中の一人旅で、定期船フェリー・あさくら号に乗り込み、次の目的地である新潟県の上越市・直江津港へと向かう途中で災害に見舞われます。



 竜史は、定期連絡で母親と電話で話して居る最中でしたが、突如として身体が動かなく成り、辺り一帯の時間が止まってしまう現象に襲われてしまいます。


 この時アニメ好きであった竜史は、その豊富なオタク知識から、これから自身が如何なってしまうのかを悟り、家族と二度と会えなくなる事を覚悟したと後に語って居ます。



 その数日後、日本列島も異世界アースティアへと転移してしまい、国中が大混乱に陥ってしまいます。



 その最中であさくら号からの救難信号をキャッチした日本国政府は、あさくら号救援活動の為に、海上自衛隊と海上保安庁に出動命令を下します。


 一方のあさくら号では、ローラーナ帝国海軍東洋方面艦隊第120艦隊が龍雲海へと定期哨戒警備活動へと出て居ました。


 また、コヨミ皇国・南西国藩軍所属・嶋津水軍も定期哨戒警備活動る為に龍雲海へと現れました。


 この嶋津水軍の軍船には、後の高見竜史と結婚する事に成る暦紅葉が乗り込んで居ました。


 紅葉が嶋津水軍に同行して居たのには、訳が在りました。


 この当時のコヨミ皇国内では、ローラーナ帝国の第五皇子ゾイザル・セイダル・ローラーナに、嫁と言う名の人質として差し出そうと言う動きがコヨミ皇国内の西側諸侯から力仁国皇に上申すると言う騒動が起きて居ました。


 ですが、紅葉はこの事に反発して、皇城で一騒動を起こした為に、ほとぼりが冷めるまでの間、公務の一環で南部視察と言う名目で、この地に追い出されてしますました。


 その紅葉が何をしでかしたのかと言いますと・・・・・・・・・・・・


 この案の発案者である相州国藩主の北条正成や賛同者の北越国藩主の永尾憲重、飛膳国藩主の龍泉寺貴信、比護国藩主の鍋島直美らを謁見の間に呼びつけて、居並ぶ諸侯や大臣の目の前でボコボコにした揚げ句。


 男は頭を剥げにし、服を切り刻み丸裸にし、鍋島直美に関しては丸裸にして星都市内の彼女の屋敷を潰したりと容赦ない報復を加えるのです。



 そんな事をしでかした紅葉は、兄達と両親からは叱責は言われなかったが、政府の大臣と諸侯から姫様なら、やり兼ねないしとまで言われて居ました。




 いや・・・・・それどころか、もう、手が付けられないほど怒っていらっしゃると人質の件は廃案だろうと言われて居たのです。



 しかしながら、諸侯の手前で在るからと、父である力仁国皇に言われて、紅葉は国皇の代理として南方視察を名目に、皇都を追い出され様に出立させられしまいます。  


 後に第一次龍雲海沖海戦と名付けられる戦いの前日のこと。


 紅葉はコヨミ女皇族の直系には代々超能力的な力が備わって居て、一般の国民には星読みお告げと呼ばれている力で、己が運命の未来を占います。


 その占いで出た結果は、「異界より太陽の御使い国、現れる。御使いの友たる国々も共に現れ、これら者共に世界の脅威に立ち向かい、暴虐の徒を打ち倒さん。先読み巫女と御使い国に住いし民の怠惰な青年共に世界の命運を背負いこれに立ち向かうだろう。そして、二人の未来の先には沢山の友に囲まれて幸せな日々に成る事だろう。」と出たと言われて居ます。



 その次の日のこと。彼女が龍雲海で巻き起こった出先の争乱で、紅葉は星読みお告げのお告げ通りに、己が運命を共にする人と出会う事に成るのです。


 そして、第一次龍雲海海戦で、海上自衛隊あさくら号救出艦隊は、ローラーナ帝国海軍東洋方面艦隊第120艦隊と戦い余裕で勝利してしまいます。


 あさくら号は無事に救出され、この戦いを通じて紅葉は、初めて日本国と接触する事に成ります。



 ヘリコプター搭載護衛艦のひゅうが型護衛艦いせに救出されたあさくら号の乗員達は、いせ艦内に移乗し、日本へと移送される事に成りました。

 

その護衛艦いせで出会った竜史と紅葉は、軽い世間話をしたと言われて居ます。


 これが世界の運命を決める出会いで在る事すら知らずに・・・・・・・・・・・・



 そんな日本国とローラーナ帝国との戦争に成る切っ掛けと成った船、あさくら号は、あの日の出来事を今の時代へと静かに語り掛けながら、私達に伝えてくれて居るのです。



福井アースティア大戦終戦記念館・記念船あさくら号への歩き方。



 北陸本線 敦賀駅からコミュニティバス「はぎ号」右回りで8分、「港町」下車 徒歩5分。


福井アースティア大戦終戦記念館・入館料金 大人300円 子供150円。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る