第3話

 周りを見渡すと私はどこか知らない土地にいた。周りの人達はみな十代後半くらいで似たような服を着ている。学生だろうか・・・・・・?

 そんなことを考えて動かずにいると右腕に痛みを感じた。

 視線を右にずらすと、杖をこちらに向けた男の子が真っ青になって固まっていた。


 私が声をかける前に女の子が話しかけてきた。


「あ、あの・・・・・・これ・・・・・・」


 着ていたローブを脱いで渡してくれたようだ。

 慌てて自分の格好を確認すると、下着姿のままだった。夢とは言え、恥ずかしい。

 女の子のローブを借り、その子に尋ねる。


「ここって・・・・・・?」


「フロス・フローレ魔導学校ですけど・・・・・・」


 少女は少し怪訝そうな顔を浮かべた。

 耳馴染みのない言葉だった。夢にしてはよく出来ているなあ、なんて呑気なことを考えていると、


「すみませんでした!!」


 先程の男の子が謝りに来たようだった。


「そんなに気にしないで」


 そう言うと、男の子は少しホッとしたような表情になったので、好奇心で


「魔法?すごいね!」


 と言った。すると、男の子はすごく驚いた顔をして


「もしかしてを知らないんですか!?」


 と言った。


 私は少し曖昧に頷いた。

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