第38話

 受験が完全に終わった。

 学年末テストはぼちぼちな結果だったけど、もう志望校に合格が決まって、良かったと思う。

 もう三年生は授業があまりなくて、もう卒業式の練習を始めていた。


 そして、今日は三年生が校庭と体育館で、イベントがあったの。

「球技大会だ~!」

 前半は男女別(男子→校庭でサッカー、女子→体育館でバスケ)の競技、後半は校庭で男女混合のアルティメット。

 そして、始まった球技大会。

 バスケに関しては、C組が女子バスケ部が多くて、かなり苦戦していた。

 うちのクラスは……わたしも含めて、助っ人として駆り出された人数が多くて、後半は全部負けてしまうような勢いだった。

 わたしのいるチームはほぼ全勝したけど、それ以外のチームが負けてしまってるので、アルティメット(フリスビーの使った競技)で挽回する。

「男子、サッカー全勝したって」

「アルティメットで全勝するぞ!」


 アルティメットの試合になった。

 まぁ、チーム構成は体育でよく組んでいたメンバーで、ほぼクラスのみんなはその授業が好きな感じだったし。

 わたしは自分のチームに向かう。

 試合時間は五分、それを連戦で戦うことになる。

 チームのリーダーはみゃーちゃんこと、平津戸ひらつとみやび

 みゃーちゃんはみんなに指示を伝えてから、試合がスタートしていた。

 ずっとゴールラインのところへと走っていく。

「ストーリング、かけて!」

「了解!」

 わたしはフライングディスクを敵から取り、そのままゴールラインのギリギリにいるみゃーちゃんに投げた。

 彼女はディスクをキャッチして、得点が入った。


 その試合は勝ったけど……他のチームも全勝の勢いで試合が終わった結果、わたしのクラスが球技大会で優勝していたの。








「小夜先輩」

「みんな、久しぶりだね~」

 家庭科部の活動にも、顔を出すようにしていた。

「先輩、高校受験お疲れ様でした! 雪華ちゃんから聞いてますので」

 雪華は学年の交流がめちゃくちゃ活発だから、すぐに合格したかっていう情報が伝わるんだよね。

「うん、ありがとう。卒業式まではここの部員だからね! 部長」

 今日は卒業式の練習がひっきりなしであった。卒業式で歌う合唱曲は三曲。

 合唱コンクールの三年生の課題曲『春に』、学校行事でよく歌う曲。

 いま練習中の三年生全体で決めていた森山直太朗の『虹』の三曲。

 各曲には指揮と伴奏者がいて、それもクラスごとに割り振られている。

 あと、『虹』という曲にはラストに男女が一緒に歌うソロパートがある。

 それは市内の合唱団に所属する子が担当することに。










 そして卒業式前日を迎えた。

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