第9話

 あと二週間で期末テストが始まる。

 わたしは少しだけ焦っていた。

 テスト範囲の勉強をしていたけど、なかなか難しい。

 特に理数系……確実にヤバい。雪華は少しだけ頭を抱えている問題があるらしくて、わたしと雪華は部屋でワークの問題を解いていた。



 テストまであと一週間を切った。

 七月の最初にあるんだ。

「みゃーちゃん……とも華乃かの、ヤバいよ」

「うん。めちゃくちゃ大変だね」

 勉強しながら、話をしている。

「雅は聖愛女学院に完全に決定?」

 みゃーちゃんに朋が話している。

「う~ん、その予定。朋と華乃は、藤大附属?」

「え、そうなるね。チャリ通したいし」

「あれ? 華乃は桜木学院に行くんじゃ?」

 華乃はそのつもりはないらしくて、藤池大学附属高校を推薦で受けたいみたい。

「すごいよね……みんな、決めてて。志望校」

 わたしは思わず、ため息をついてしまう。

 都立神村北高校を第一志望にしているけど、最近は模試とかも受けてるけど……なかなか合格圏に入らないんだよね。

「模試、合格圏に入らないし……。もう嫌だよ」

「う~ん。でも、小夜は応用問題が苦手だもんね。基礎問題は全部正解してるみたいだしね」

 それに、私立の併願校にしようとしている佐久間女子は安全圏だったし。

「う~ん。志望校のレベルを下げるのもありだけど、それは嫌なんだよね~」

 みんなとは帰り道が違うため、学校を出てすぐに分かれた。


 一学期の期末テストはとにかく必死でテストを勉強しないといけない。

 母さんが勉強を教えてくれた。

「ここはこの公式を応用問題にあてはめるの、絶対に出そうね~」

「え!? こんなのが出るの?」

「新垣先生だっけ? 数学の先生、教科書とワークからがほとんどだし、教科書とワークをやってれば、大丈夫みたいよ?」

 学生時代から母さんは直感でテストの出題されそうな範囲がわかるみたいで、そこをテスト勉強していればいい点数になるらしい。


 わたしは勉強ができないと思っていた。

 でも教科書とかをよく読めば、苦手だった応用問題とかがわかるようになっていった。

櫻庭さくらば。テスト、どうかな?」

「まぁ、教科書とワークをやってれば、いいと思う。ほとんど、習ったものしか出ないし」

 悠里ゆうりは学年トップの優等生、わたしは下から数えた方が早いような劣等生だと思っている。

「橘、がんばれ」

「テスト? うん」

 いきなり言われると、驚いて少しだけ慌てちゃいそうになった。

「お互い、ね。櫻庭」

 一学期の期末テストが始まるのは、来週の月曜からだ。

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