第4話 五芒星闘技

この世界にきて1ヶ月が経ち、ようやく異世界らしい事が始まろうとしていた。


先生「知っているかと思いますが、今年は五芒星闘技の年です。先日、武器適正が確認できましたので、腕試しに参加してみるのもいいと思います。」


強い者を炙り出すそんな催しのような気がする。


イーサン「教官、その話、詳しくお聞かせいただければ」


先生「五芒星闘技とは8年に1度行われるエルファルト王国の王室主催の国際闘技大会です、武器の種類関係無しに同時に5人が戦っていき、残った1人をさらに5人集め戦う、それを最後の1人になるまで行うのです、優勝すると、金貨100枚とギルドよりクルセイダーの称号がもらえます、参加は無料で、攻撃自体は魔法で寸止めとなりますが、死亡判定で即座に気絶します」


イーサン「そのクルセイダーとはどういったものですか」


先生「とても名誉のある称号でして、階級とは別なのですよ」


クルセイダーとは授与されると世界中の災厄に征戦しなければならない面倒な称号。


生徒「優勝したい」


先生「言っておきますが最後まで残るような戦士は滅茶苦茶ですよ」


生徒「どのように滅茶苦茶なんですか」


先生「人間ではないというか、はっきり言えるのは、あまりの速さで攻撃が見えません。中には開始から一歩も動かずに倒すような人もいます、さらに今回は女王もお忍びで参加するみたいですし、怖いの嫌って人は見学するだけでも勉強になりますよ。」


結局はっきりと言えてない、でもその言葉から想像するには、例の変質者が紛れているのは確か。


イーサン「教官、参加方法をご教示願います」


先生「参加方法は簡単です装備を整えて当日集合場所に行くとそこから順次に連れていかれます。参加人数も対戦相手も開始まではわからないです」


運も実力のうちとは良く出来た言葉だ、

初戦で剣聖と当たれば絶望的すぎる。


マサムネ「良し参加決定」


レティ「参加しないほうがいい」


イーサン「参加しなければ、腰抜け同然」


エウフェリア「私とラフは売り子でもするよ」


ラフィアとエウフェリアは亜人の女性であるため攻撃魔法以外に関してかなりの適正がある


マシュー「行けるところまで行って、負けたら悪戯やり放題」


会場での迷惑行為は王国騎士団によって排除される。現行犯死刑のとんでもないルール、でもマシューは知らない。


先生「言い忘れてましたけど、前回の優勝者はアヴァンティーノ家で、史上最年少10歳と1か月でしたので、今回は皆さんとあまり変わらない年齢ということになります」


子供に負ける大人の気持ちをお察しします。


マサムネ「アヴァンティーノ家恐るべし」


レティ『顔隠せばわからないか、、、』


何かを企んでいるかのようにも見えた、醜態でも晒す気か?いずれにせよ、数十万人の観衆の前で醜態を晒すとは病的以上だ

それから演習場で、基本的な訓練を行い、

今日の授業が終わった。


イーサン「とりあえず、武器買いに行きませんか」


マサムネ「行こう、レティいい店知らない?」


レティ「1つ知ってる」


マサムネ「なんていう店?」


レティ「装備仕立て屋ロマネコンティ、闘剣ソムリエの資格があるからいいと思う」


客の武器適正から最適な武器及び装備を取り繕ってくれる、王国一の便利屋

王国の騎士もこの店の常連らしい


マサムネ「そこ行こう」


店名『装備仕立て屋•ロマネコンティ 』とてもシンプルな外見の店


レティ「外で待ってる」


マサムネ「時間かかると思う」


レティ「構わずどうぞ」


扉を開けると、ものすごい数の武器や防具などが陳列されている。一個師団相当の武器か、、、


店主「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件で?」


マサムネ「五芒星闘技に参加したいのでその装備を買いに、」


店主「テイスティングですね、かしこまりました。」


何がテイスティングだよ、味わうつもりはない。独特の言い回しがわかりにくい


店主「最初のお客様はこちらに」


マサムネ「じゃぁ俺いく」


店主「お客様の武器適正をお伺いしてもよろしいでしょうか」


マサムネ「槍です」


店主「攻撃力、防御力、機動力の特に重視する項目はございますか?」


マサムネ「機動力で」


店主「ではご予算をお伺いいたします」


マサムネ「銀貨15枚で」


店主「では準備いたしますので、しばらくお待ちください。」


マサムネ「わかりました」


10分後


店主「おまたせしました。ご予算の範囲でのおススメはこちらです。」


マサムネ「本格的な装備」


そらゃぁそうだろ、武器屋なんだから


店主「これは1239年のエルファルト王国の傑作の鎧です。胸部と脚部の一部に軽量装甲を入れてあります、切創耐性は高いですが、刺突耐性は低くなりますのでご注意ください。そしてこちらは1401年のリューセル王国の傑作の防御小手(軽)となります、薄く強度のある装甲が取り付けられております。武器は1156年製の魔合金の槍(低)エルファルト王国随一の鍛冶屋で製作された傑作です、お客様の攻撃力をおよそ1.5倍にすることが可能でございます」


同じ武器でも国や年代によって様々


マサムネ「いくらですか?」


店主「鎧は銀貨4枚、小手は銀貨3枚と銅貨80枚、槍は銀貨7枚となります」


マサムネ「買います」


店主「冒険者証明書はお持ちですか?」


武器だから身元の確認は必要、これも草薙レイによって導入された。


マサムネ「いえ、まだ学生です。」


店主「学生証はお持ちですか」


入学早々に学生証を渡されていた、なん年ぶりの学生証か、学割でもあるのかよ

とりあえず提示する。


マサムネ「はい」


店主「ギルド通達より学生様は銅貨分を不要となりますので銀貨14枚となります」


マサムネ「わかりました」


店主「ありがとうございます」


イーサン「つぎは私が」


店主「お客様の武器適正をお伺いしてもよろしいでしょうか」


イーサン「銃です」


店主「攻撃力、防御力、機動力の特に重視する項目はございますか?」


同じやり取りが行われた。


マシュー「盾すっげーかっこいい」


カイザーシールド


それなりの防御力


マサムネ「攻撃はどうすんの」


マシュー「これで殴る」


マサムネ「そんな使い方でなくても」


イーサン「戦い方は人それぞれです。お互い頑張りましょう」


否定しない、イーサンの心の広さを伺える


マサムネ「イーサンの武器は何だった」


イーサン「スプリングフィールドのM1903でした、カスタマイズ品のようです。店主が言うには、抗魔合金弾と言う物でして、使用者のレベルの100倍の者が発生させる魔法障壁をも貫通するそうなのですが、銃本体が銀貨10枚ときて、その上、弾1発が銀貨1枚と高すぎるので

予算上、10発しか用意出来ませんでした、ですから、全て命中させないといけないです」


時代も時代だからレア武器として高価になる。


マサムネ「無理ゲーか」


イーサン「使い慣れてない武器ですが、使った事が無いわけではないので、そこは妥協するしかありません」


イーサンは難易度の高い試合を強いられている、存在Xとやらによる陰湿な嫌がらせか?あまりにも酷すぎる展開だが、イーサンは軍人、そんなことには慣れている


マサムネ「お待せレティ」


レティ「待つくらいいい」

この騎士はなんかめちゃくちゃ汗かいてるけど、、、


マサムネ「レティは出るの」


レティ「用事があるから出ない」

嘘丸出しの言い訳、


寮に着くと魔導師長が待っていた 。


魔導師長「先日は申し訳ありませんでした」


マサムネ「今日は何の用です?」


魔導師長「じつは皆様のダークネスを解除した後、陛下から皆様を助けるように命じられまして、身辺物を転送し、お届けに参りました。」


マサムネ「ありがとうございます」


イーサン「それ遠回しな窃盗だろ」


魔導師長「窃盗、、、考えが及ばず申し訳ございません。」


マシュー「で、なかを見てもいい?」


魔導師長「マシュー様のものは、こちらです」


マシュー「瞬間接着剤にデスソース、もう一つ、おっこれは!!!」

こういう引きは強い


マサムネ「これって?」


マシュー「こればかりは秘密」


面倒ないたずら道具なら処分


イーサン「これは私の物ですか?」


魔導師長「はい」


イーサン「私のアサルトライフルと対物ライフル、弾は、、、無い、」


もう少し早くこのことを知っていれば、弾を買うことができた。

骨董品で戦うよりずっとマシな戦闘ができる


マサムネ「俺はこれか、」


魔導師長「はい」


マサムネ「中身は、、、音楽プレイヤーと漫画、漫画はいいとして、これ、充電無いじゃん」


魔導師長「皆様が特に大事にされていたものを転送させていただきました」


イーサン「これじゃ使い物にならない」


マサムネ「ガチャ、いや救援物資はハズレ、マシューだけ“レア”か」


魔導師長「女性方も同じく転送してありますレティ様のは既に同じお部屋の方にお渡ししています。」


一行を監視する視線 、女王直属の隠密部隊


隠密1「どうやら関係が悪いようです」


隠密2「陛下にはそのようにお伝えしましょう」


視線を感じたイーサン


イーサン「今そこに誰かいなかったか?」


マサムネ「俺は何も感じないが」


イーサン「確かに今こっちを見ている視線がありました」


マサムネ「イーサンの弾と音楽プレイヤーは


そして長い一日が終わった


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