第15話 分煙国家へ進み

 私は、10年間タバコを吸い、非喫煙者になって10年になります。

 私がタバコをやめた頃は、日本が喫煙国家から分煙国家に変わり始めた頃で喫煙者でいる事がだんだん肩身が狭くなっていった頃でした。私がタバコをやめる事が出来た背景には、分煙国家に変わって行った時代の流れがありました。

 昔の車には、灰皿がありました。しかもシガーソケットのシガーライターを押すとタバコに火を付けれました。今ではなかなか見かけないですが、携帯電話が出る前の車のシガーソケットはそもそもシガーライターの為だけの設備でした。

 シガーってタバコって意味ですから、そりゃそうですが・・・

車内の喫煙に関しては、どちらかというと喫煙者側に寄っていた、10数年前は、そんな時代でした。

 最近の車には、そもそもシガーソケットにシガーライターが付いておらず車内の喫煙に関しては否定的な時代に変わって行きました。タクシーに関しても後部座席に灰皿があり、タクシーに乗ればタバコを吸うのが一般的でした。

 しかし、時代は進み車内での喫煙というのはもはや非常識になっていきました。私がタバコを辞めた10年前頃から風向きが変わってきました。

 私もちょうどそのころに家庭を持ち、車内は自分一人の空間ではなくなりました。そして、運転中はタバコが吸いにくくなっていきました。

 今思うと、運転中の喫煙は危険だったと思うときは多々ありました。

 火のついたタバコを運転中に落としてしまってパニックになったり、灰皿がいっぱいでタバコを捨てるところが無くてパニックになったり、タバコによって運転が注意散漫になることはありました。運転中に火種が太ももに落ちてしまい、作業ズボンに焦げ跡を付けてしまったのも、運転中でした。あれは熱かった。。。

 昔はどこでも吸えたし、どこでもポイ捨てしてましたが、携帯灰皿が出回り、かっこいいタバコの吸い方の一つに携帯灰皿が出てきました。

 私の中では、かっこいい携帯灰皿も一つのおしゃれアイテムでした。

 携帯灰皿の出始めの頃は、携帯灰皿があればどこで吸ってもいい、そんな雰囲気の時期もありました。そして、時代は進み携帯灰皿があっても吸う場所に関して限定される時代に変わって行きました。そんな時期に家庭を持ち、子を持った私は、吸うための時間が取れない状況が増えてきました。

 子供が出来たことで、家の中が禁煙になりました。車内も禁煙になりました。ホタル族の様にベランダに出て吸う行為も、私の家はベランダが狭く、近所の目が気になり吸えなくなりました。なので休日は吸うために外に出かけないといけなくなりました。

 近所で喫煙しようにも、歩行喫煙は周りの人の目が気になり、公園などの喫煙に関しても近くに大きな公園は無く、結局近くのコンビニに行きタバコを吸う日々になりました。

 雨の休日はびしょびしゅになりながら吸いに行っていました。喫煙者で居続ける事が辛い、そんな肩身の狭い時期があり、一番自宅から近いコンビニが潰れると、とうとう追い詰められていきました。吸うために自転車に乗ってコンビニに行く、そんな休日になりました。

 そして、会社にもその流れが波及してしまいました。

 

 

 

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