『クローバーフィルド』

 正直に言って、クローバーフィルドがホラーなのかはわからない。パニック映画だよな、と思う。

 宇宙人が侵略してきてうわーってなる映画はあれはSFか!?

 だとしたら、クローバーフィルドはSFの括りなのかもしれない。「ホラーじゃないじゃん」と思ったらごめんなさい……。


 そこまでしてこの映画を推す理由は、わたしはたぶんいまのところ、この映画がいちばんすきだから、だ。

 正直に言ってニューヨークのセントラルパークに何やらわけのわからない巨大な生き物が出てきて、ドタンバタンするだけの映画。

 それでみんな慌てる。

 アメリカ人らしくパーティーしてた人たちも慌てる。

 慌ててるので、ハンディカムを持ったまま逃げる。

 ぎゃー!


 ほんのり切ないドラマもあるんだけど、そんなものはすべて騒動に巻き込まれて、ロマンティック度は1/10くらいに減る。

 とにかく、うわー、きゃー、なのだ。

 そこには一種の一体感さえ感じる。人々は『群れ』になるのだ。


 言ってしまうとドラマパートはあまりパッとしない。本家たちには勝てない。もっと涙を誘う宇宙人映画がたくさんある。あの気持ち悪い『第9地区』だってなかなかじんと来る。

 でも本作はそれを凌ぐスピード感がある。低予算で若手が作ったからなのか、速さで吹き飛ばしていく感じ。


 ひとつだけすきなシーンが。

 ネタバレにはならないと思うので書いてしまうが、主人公が逃げる時に家電量販店でモバイルバッテリーを奪う。あれってすごいリアリティだなぁと感心した。実際、映画の中でスマホは印象的な小道具として使われている(現代性を伺わせる)のだけども、それにしてもモバイルバッテリーを掴んで店から出てくるのには痺れた!

 とにかくこのシーンがいちばんすき。

 この映画にいちばんリアリティを持たせているシーンだと思っている。


 ちなみにネトフリに加入しているので、『クローバーフィルドパラドックス』も観た。好きなので観ちゃった。

 これはどうしてあの巨大生物が来ちゃったのか、というそれこそSF。宇宙が舞台でちょっとだけエグいシーンもサービスで(笑)入っている。

 完全な続編とかではなくて、世界観を統一した作品らしい。


『10クローバーフィルドレーン』という作品もあるのだが、面白そうだなぁと思いつつ、ネトフリに入っていないので観ていない。TSUTAYAでパッケージをガン見するだけにしておいた。監禁ものってちょっといいですよね~。あ、そんなことを書くと変態だと思われそうだけど、ホラーファンならわかってくれるんじゃないかなぁと期待。


 つまりオススメは『クローバーフィルド』です!

 ぎゃー、うぉー、の世界を体験してください。

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