ザ・ライト―エクソシストの真実―

 今回は『ザ・ライト』です。じじゃーん! 祓魔師ものの王道!

 この映画の評価が高いのかどうかは謎ですが(アレ?)、わたしは大好きです。


 葬儀社の息子であり、信仰心を持てなくなった若者がバチカンの僧侶になるための神学校に通っています。彼は成績が良いのですが、どうしても心の底から神を信仰することができない。苦悶する。

 そこへ恩師から、祓魔師の僧侶のところに手伝いに行かないかと誘われる。悪魔の存在が、神の存在と同様、信じられない。そんなもの、あるはずがない。

 勧められて老いた経験深い祓魔師、アンソニー・ホプキンスの元に向かう!!!


 アンソニー・ホプキンス登場!(名作『羊たちの沈黙』のレクター博士、カズオ・イシグロ原作の『日の名残り』の執事役)

 とにかく名優ですよねー! A・ホプキンスが祓魔師だというだけで、テンション上がりますよ!


 この祓魔師は、やはり信仰心が揺らいでいながら祓魔師を続けている。おわかりかと思いますが、祓魔師とは悪魔を追い払う仕事です。神の名によって悪魔を追い払う。信仰がなければ神の名を頼りにすることはできないのです。


 しかし、彼のところには次々と依頼が来て、彼も次々と仕事をこなしていく。青年は迷う。悪魔なんていないはず。すべては科学によって実証可能な現象だと。祓魔師より精神科が必要なのではないかと。だって悪魔がいると困るんですよ。その対極にある神の存在を信じることになりますから――。


 今日もまた、依頼者がやって来る。妊婦に取り憑いた厄介な悪魔……。


 はい、ネタバレ前はここまで。

 ここから先は「嘘ぉー!?」という展開になっていきます。A・ホプキンスの怪演が光る、光る。

 そこに彼をぶっ込んだ、キャスティングが素晴らしい。

 メル・ギブソンの『サイン』のところでも書きましたが、アンソニー・ホプキンスも目がいいですね! こう、不思議な目。見つめられると見透かされてしまいそうな、ひとつ間違うと狂気に取りつかれているような。

 あの目で訴えられると、引きますね。迫力に押されて。そこが名優たる所以なんでしょうか……?


 ではこの映画がA・ホプキンスのための映画かと言うとそうとは言えません。何しろ、『エクソシストの真実』ですからね。

 劇中、悪魔祓いするシーンが真に迫ってます!

 わたしね、あの聖水を振り撒いて、聖書を読みながら「名前を名乗れ!」ってあのシーン、大好きなんですよ……うっとり。

 いろんな映画に出てきますが、この映画では長く、丁寧にこのシーンが描写されている。

「神の名によって命じる! 名前を名乗れ!」

 この辺は日本と同じなんですよね。名前によって、縛るわけです。


 そんなわけで、この映画、大好きなんですよ。もっと好きな人が増えればいいなぁ。娘には入門編として見せましたとも。本物の祓魔師とはなんなのか、それは『バチカン奇跡調査官』だけではわからないのですよー(二人でアニメ、全話見た)。


 祓魔師に興味がある方、『エクソシスト』よりこちらをお選びください!

 ……タイトルが悪いのかなぁ。いい映画だと思うのになぁ。ま、見て損はないと保証します! ぜひぜひ!

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