SSSな黒スクール水着と白スクール水着

 それから数日、俺は唯一まともな頭脳を持つミリャ先生と入念な打ち合わせを重ね、素人ながらに川を掘るルートを決めた。イヴァ城前の池は北にあり、そこから南に一直線に道を掘る。何とも男らしいルートである。


 素人なので詳しいことは知らない。だがこれまで培ってきたゲーム知識と、近くを流れていた川を思い出して掘ることを決意した。


 テイマーサモナーで巨大ワームを召喚し、強化。


 泉の手前から一直線に川が通る道を掘ってもらった。北側から南へは元々なだらかなので自然に水は流れる。彼らにはそのまま掘ってもらい適当に下流の川とくっつけた。


 水はまだ流れないように、ギリギリの部分は掘ってない。


 次に深めに掘った場所へ次々と岩と砂利を召喚して、無理やり埋めていく。少し大きい石はイヴァの吸血鬼パンチにより砕いてもらった。


 この作業が結構気持ち良くて突如召喚された石たちに埋められていく姿は気持ち良かった。


 最後に水辺に住まう魚や水草を召喚する術式を延々と描き上げ、水を流したと同時に術式も開放すれば完成である。


「あれから一週間、皆さんありがとうございます」


 学生さんたちはどんな鍛えられ方をしてきたのか、一週間で各自のログハウスを作り、宿屋までリフォームしてしまった。


「今日は水開きです!」


 本来なんて言うのかは分からない。けれど伝わればいいだろう。気温も少し熱くなってきている川を作りには良い川日和だ。


 小中等部の半分が白のスクール水着、その半分が黒のスクール水着。ミリャ先生は隠しきれないバストのせいか、セパレートタイプの「誰かナンパしてください」と言わんばかりの羞恥的な水着だった。


 俺自身は学生さんからプレゼントされた黒のスクール水着で、尻尾穴も作ってもらった特注品だ。


 相沢さんは黒のスクール水着で年相応の体型をしている。胸も特別小さいでもなく大きいでもなく、あの性格のくせにすらりとしたモデル体型のシルエットは美しい。


 エリィは何故かほぼ下着の時と同じ面積の水着を着用している。胸は元から無いので大切なトップの部分しか隠さないような水着と、面積が薄すぎる下の水着だ。


 本人曰く「ぐ、偶然これしかなかったので」らしい。真面目な性格と話口調だけど、やっぱり何処かはじけている魔法剣士様である。


 ちなみにイヴァに関しては小さめの白スクール水着を無理やり着ている。


 本人曰く「吸血鬼は締め付けられないと身体に悪いのじゃ」らしい。水を渡れないっていうのに泳ぎ気があるのが凄い。


「それでは皆さん、開通しまーす!」


 俺は地面に手を付き、「ロック解除、1から一二六工程まで順次解放」、「撃鉄起こせ」。一匹の巨大ワームが召喚され、湖の水は急激に流れ出した。


 なだらかに掘ったのでゆっくりと、でも力強く下流へと水は進んでいく。


 少女たちは皆、思い思いに水に飛び込み、自然の恵みを体で感じる。


 学生同士がじゃれ合っている姿を、眺めつつ、俺も水の中に飛び込んだのだった。


 夏にほど近い気温の湖は、少し冷たく、でも優しく全身を包んでくれた。

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