元ぼっちのおれは幼馴染の美少女と同棲しています

あすか

ベストカップル

意外と面白い……?

「「わがままな子猫には、しっかりとお仕置きしないとな……」」


「「そんな、いくら2人きりだからって、こんなところで……!」」


「「口答えしてるのは、この唇か?なら、塞がないとな」」


「ってやん!もー!!!激しいぃぃ!!」


「って、おい。朝から何やってんだよ」


ソファに座り、身体を激しくくねくねさせていた遥香の頭を軽くチョップする。

朝っぱらから何やってんだ、こいつは。全く。


「いたっ。何すんのよ」


チョップを受けた頭を摩りながら、恨めしげにこちらを見てくる。


「痛くないだろ。大分加減はしたぞ。それより、朝ご飯できたから早く食べよう。冷めるとマズくなる」


「はーい」


そう返事をした遥香は携帯をソファの上に置くと、おれの後に続き、テーブルイスの方に移動した。

今日の朝ごはんはいつも通りのメニューだ。トーストにサラダ、ハムエッグとウインナー、コーヒーという簡単なメニューだ。


「それより、さっきやってたのって、乙女ゲームってやつか?そういうのに興味あったんだな」


コーヒーをすずっと啜りながら、先程のことを思い出す。


「いや、あたしも興味はなかったんだけど、友達に勧められてやってみたのよ。そしたら、案外……」


「面白かったわけね」


「そういうことです……」


少し恥ずかしそうに遥香は小さくそう応えた。


「もし、おれが同じことしたらどうする?」


「いやー、引くわ。現実でやってたら多分殴ってると思う」


言いながら、拳をぐっと握る。


「めちゃくちゃひどいな、それ」


殴られるのは嫌だから、絶対しないようにしよう。まぁ元々そんなことする勇気もないが。


「まぁそんなことしなくても、京介は充分魅力的だしね」


「お、おお……」


やばい、不意打ちのその言葉はやばい。反則だぞ……

おかげで顔が直視できん。


「あーそれにしても、夏休みも終わっちゃったわね」


「あ、ああ、そうだな。また今日から頑張っていこうぜ」


「そうね。そのためには栄養付けなきゃ。ということで、おかわり」


いつのまにか、完食していた遥香が皿をこちらに渡してくる。

夏バテもせず、食欲旺盛で何よりです。


「あ、そういえば今日、バイトあるから少し遅くなると思う」


思い出したように遥香がそう言った。


「あ、そうなのか。じゃあ、おれも優さんのところに寄ってみるよ。手が必要そうなら、少し手伝ってくる」


「おっけー。それなら、あたしも夕飯はそっちで食べようかな」


そんな会話をしつつ、2人だけの朝の時間が過ぎていくのだった。

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