第7話

すぐさま向かった。

翼があり、背にも乗れて飛べる異形は数こそ少ないが、ちゃんといた。

翼ある異形はふたつ返事で快諾する。

理由も聞かなかった。

ただあるもののために。

相手のために。

ここにいる異形すべてがそうなんだろう。

まったくどいつもこいつも。

そもそも愛は不思議な概念だ。

哲学も心理学も宗教からはじまり、あらゆる分野でその本質が探られたが、結局言われていることは愛はなにものにも変えがたい、失ってはいけないもの、とわかっただけだ。それぞれがそれらしいことを言っているが、それが真実かどうかは誰もがわかっていても誰もわからないという。永遠にだろう。

わかってたまるか。

そんなことはどうでもいいんだ。

いま、愛が悪さをしている。

これほど愛を憎いと思ったことはない。

憎い?

それは表層をなぞっているだけだ。

それでも、そんなことでも。

原動力になる。

力だ。

欲しい。

絶対だ。

絶対に。

手に入れてやる。

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