プロローグ6

【アダマンタイト】


異世界ティルナノーグにある鉱石の1つ。

大変貴重であり、市場に出回ることは少ない。

出回ることの少なさから高価である。

非常に固く、非常に重い。

魔力を通さない性質がある。

基本的には武器というより防具や重要な建造物に使われることが多い。

魔力を通さないために魔法を付与したりすることはできない。

そのため、魔力が通しやすい【ミスリル】の方が貴重な鉱石の中では好まれている。





『すまないが他には弱点はないのか?』


そう、彼はなるべく万全にしていきたいのだ。


「他にはですか、うーん、後は範囲攻撃、複数相手に対する手段がないことじゃないですか?」


『そういえばそうだったな、明らかに隠密タイマン特化型だよなぁー』


手を剣に変えてみる。


プロールから距離を取り、おもむろに振り回す。


『これって訓練次第でどうにかなるのか?』


「さあ?どうでしょうか?なにしろ新しく入荷したばかりの種族ですからね」


今度は足を剣に変えて振り回す。


「まだまだ伸びしろはありそうですね、どうやら」


『他にはないのか?』


プロールは思い出したかのように声を上げながら


「あっそういえば忘れてました!その種族になったら食事も睡眠も必要ないんですよ、もちろん夜の営みも」


人間の3大欲求全否定の爆弾発言である。


『え?』


といいつつも鉄心は3本目の足を硬くしてみる。


『なるほど…これはだめだなぁ…』


悲しい顔をしながら下を見ると


そこには立派に硬くなった足が

いや固くなりすぎた足というべきか。




そう、硬くした場合


間違いなく相手は死んでしまうのである。


しなければいいだけだが。


冷静にプロールは言う。


「あらゆる欲求や感情が少なくなっているはずですよ、もちろん殺しに対する罪悪感なども含めてですけど」


『あらゆる感情が少なくなっている?実感がわかないな』


「それは行ってみればわかりますよ。なんて言っても、もうすでに人ではないですからね!」


そのとおりである。


「言い忘れてましたけど、服なんかも要らないですよ。それも込みで変身すればいいんですから」


早く言えよ。慌てて変身する。


『こりゃ便利だわ、だいたい理解した。後は慣れていくしかないな』


「はい、では最後に名前を変えていただきたいと思います」


『名前?松木鉄心じゃだめなのか?』


手をバツにしながら


「ダメです!ダサすぎますしインパクトもないですし、そんなんじゃ視聴率が取れませんよ」


俺が28年間生きてきた名前だぞ‥視聴率優先すぎんだろ‥

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