第3話彡(゚)(゚)「こんな駅あったかいな?」きさらぎ駅

1月某日、夜




彡(゚)(゚)「フウっ、フウっ……間に合えっ」タッタッタッタッ


彡(゚)(゚)「乗ります乗りますやで!」タタタッ


プシュー


彡(-)(-)「ゼェ……ハァ……オエ(間に合ったで)」スタスタ


ハッシャシマス


彡(-)(-)「またこんな時間やで、日付かわってまう。やっぱりウチもブラック企業なんやろか」




乗客 ジー


彡(゚)(゚)「……(なんや、あのおっさん)」


乗客 「zzz」プイッ


彡(゚)(゚)「……(あからさまに寝たふり始めたで)」


ガタンガタン


彡(-)(-)「よっと、あー腰が、肩が、背中がいたた」


彡(-)(-)「ふー、寒さで手がしびれとるわ」ジワーン


彡(゚)(゚)「この時間帯はいっつも、乗客少ないな。あたりまえやけど」


ガタン ガタン


彡(-)(-)「暖かさと、この揺れが眠気を誘うんや」


彡(-)(-)「帰ったら風呂や。あと少し早よ帰りたいもんや……な」


ガタンガタン


彡(-)(-)「……うぐっ」


彡(-)(-)「クサっ……屁のにおい?」


彡(゚)(゚)「あのおっさんか? 密室でやめてくれや」ゴホン


彡(-)(-)「……」




ガタンガタン プァーーン


彡(-)(-)「……?」


彡(゚)(゚)「まだ着かんのか? いつもより長いような」


彡(゚)(゚)「何人か乗っとるが、みんな寝とるな」


彡(゚)(゚)「窓が曇って、外は見えんわ」


彡(゚)(゚)「運転手、寝とるんやないやろな。スマホの録画準備っと」スタスタ


彡(゚)(゚)「あ、見えんやないか。なんやこの目隠し……隙間もないで」


彡(゚)(゚)「すんませーん」ココンコン


シーン


彡(゚)(゚)「返事がない、ただの……勘違いやろか」


ゴトンゴトン ヒュオオオオオ ゴォオオ


ガタンガタン


彡(゚)(゚)「トンネル……あったかいなトンネルなんて?)」


ガタンガタンガタン  ガタン     ガタン


彡(゚)(゚)「あ、着いたんかな? なんやここ」


ダァ ヒヤキヤス プシュー


彡(゚)(゚)「きさらぎ……駅? きさらぎ、やっぱ知らんなぁ(誰も乗り降りせんみたいや)」


ダァシエリイェス シュー


ガタン  ガタン ガタン


彡(゚)(゚)「寒っ……つい、降りてしまったワイ。次の電車はーー」


彡()()「げ、さっきの終電やったんか」ブルッ


彡(゚)(゚)「しゃーない、タクシー乗り場あるんかな」スタスタ


彡()()「ああぁ悪い予感的中や、タクシー無い」


彡(゚)(゚)「しかも、なんやさびれたとこやな。草、一面の草原と、向こうは山か」


彡(゚)(゚)「こんなときはネットで検索」ガサゴソ


彡(゚)(゚)「ここは……きさらぎ駅やでっと……あら」


彡(゚)(゚)「ないんか? あれ……入れ間違いかな、きさらぎ駅……」


彡()()「無い。なんでや!」


彡(゚)(゚)「うーん、そういえば近所のパン屋もネットで出てこんしな……登録しとらんだけかな?」


彡(゚)(゚)「仕方ない、こんな時間やけど」ピ


彡(゚)(゚)「あ、ワイやワイ。ちゃうってーーワイワイ詐欺やないで原ちゃん」


(´・ω・`) 「きさらぎ駅? 寝ぼけてるんじゃないよね」


彡(゚)(゚)「バッチリ起きとるで。寒いし早く迎えに来てくれや、頼むわ」


(´・ω・`) 「聞いたことないけどなあ、わかったよ地図見ながらくるから待ってて」


彡(^)(^)「さすが原ちゃん。安全運転で頼むやで」


(´・ω・`) 「うん」


ピッ


彡(゚)(゚)「お礼に今度、奮発してう○い棒おごったるか」


シーン


彡(゚)(゚)「誰もおらん」


彡(゚)(゚)「あっ、そうや次の駅と手前の駅」タッタッタッタッ


彡(゚)(゚)「うーん……書かれてない、なんやこれ」


彡(゚)(゚)「自販機もないし、あったかーいもんが欲しいんやけど」ブルブル


彡()()「ハ……ハァあ」ブェックショーイ


彡(゚)(゚)「うぅ」ズズ




彡()()「ハ……」ブシュンッ ブシュンッ


彡(゚)(゚)「原ちゃん、迷ってるんかな……」


彡(゚)(゚)「駅まわりを調べるやで、地図の看板とかあるやろ」




彡()()「サブサブサブぅ、なんもないやんけ」ブルブル


彡(゚)(゚)「こんなときこそ、あれや!」スッ


彡(^)(^)「滅多にできない110番っ」




彡()()「ハイーーハイーーすいませんやで」ガチャ


彡()()「いたずらやないんやで、こんなときのためにあるんやないんか警察は」


彡(゚)(゚)「どないしよ」


彡(゚)(゚)「……ん、なんや」



ドン  ドン  ドッ シャン ドン


彡(゚)(゚)「太鼓、と鈴? 祭り……いやこんな時間に、おかしいやろ」


ドン  ドン  シャン


彡()()「……え(背後から、きこえる気が)」


ドン  ドン


? 「オーイ」


彡()()「う……(誰かおるんか)」ドキドキ


? 「……歩くとー危ないよー……線路の上はー」


彡(゚)(゚)「あ(なんや? 腰まがっとる、じーさんか)」


彡(゚)(゚)「あの(誰もおらんかったのに)」


フッ


彡()()「え」


彡()()「消えた(あのじーさん、足が一本やったような気が)」


ドン ドン ドン シャン


彡()()「ううう……やめてくれや(もう走って戻るで! )」ダダッ


ドン  ドン   シャン


彡()()「ハッ……ハッ……ハッ」タッ タッ タッ


ドン      ドン


彡()()「ハッ……ハッ……ハッ」タッ タッ タッ


シーン


彡(。)(;)「ハッ……ハッ(やっとトンネルや)」タッ タッ タッ




彡(。)(;)「変な……太鼓も聞こえんわ」スタスタ


彡(。)(;)「も、もう少しで抜けそうやな……はぁ」スタスタ


彡(。)(;)「ん(誰かおる! )」スタスタ


?「あ、こんばんわ」


彡(。)(;)「え、ああ、こんばんわ……やで」


?「どうしました、こんな時間に」


彡(。)(;)「じ、実は迷ってしもうて」


?「それは大変。よかったら駅まで送りましょうか? 」


彡(。)(;)「え、はい……よろしく頼んます(怪しいけど、さっきのよりはマシや)」


?「この車です。どうぞどうぞ」ガチャ


彡(。)(;)「すまんやで」ガチャ


?「お疲れでしょう。眠ってていいですよ、着いたら起こしますからね」




ブオオオッ


?「……」


彡(゚)(゚)「……(この場所がどこか聞いたら、知っとる場所やった)」


彡(゚)(゚)「……(この親切な人が、近くの駅まで送ってくれるらしいやで)」


彡(゚)(゚)「……(こんな時間に、なにしてたんやろこの人)」


?「……」


彡(゚)(゚)「……(あれ、山が近くなっとる?)


彡(゚)(゚)「道はこっちなんかな?」


?「こっちが近道、なんですよ」


彡(゚)(゚)「そうなんや」


?「……」


ブツブツ


彡(゚)(゚)「……(なんや?)」


?「……クソッ……」ブツブツ

 

?「……だからオリンピックは……大阪に……」ブツブツ


?「……都会の……ネズミ……ハハハッ」ブツブツ


?「……だから……」ブツブツ ブツブツ


ブツブツ ブツブツ


彡(。)(;)「……(なんやこいつ、ブツブツ独り言多すぎやろ。病気か?)」


彡(。)(;)「……(適当に言って降りたろ)」


彡(。)(;)「あのな」


?「……」




キィー


(´・ω・`) 「いないなー、まったく電話もでないし、どこいったんだろ」


(´・ω・`) 「地図の場所的にはこの辺なんだけどなー」


(´・ω・`) 「あれ? トンネル……ああこの先行き止まりなんだ」




彡(゚)(゚)「こんな駅あったかいな?」きさらぎ駅 完

























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