第5話父

家に帰ると美優と妻が喧嘩をしていた。

なんでも美優が門限を2時間も過ぎてから帰ってきたらしい。妻は学歴や偏差値のことを言っていた。妻なりの考えなのだろう。

確かにこの先長く続く人生で学歴があってよかったと思う日が来るかもしれない。しかし必ず来るとも言えない。生きるものたちにとって「今」というのはホントにかけがえのない時間で二度と戻らないのだ。昨日と同じように過ごして「昨日と同じ」と思うかもしれないがそれでも学校で昨日習ったことと今日習うことは違うし昨日の会話と今日の会話だって内容は違うはずだ。美優にとって「今」はいずれはそれぞれの道に進むであろう友人と沢山の「今」しかできない事をやって思い出を作ることが大事なのだろう。

妻も美優のこと思っているならどうしたいのか少しくらい聞いてもいいんじゃないだろうか?

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