第21話招待状

イルミネーションの季節になりますます寒くなり始めた今日あの人から夕から結婚式の招待状が届いた。大好きだった彼が結婚する。

信じられなかった。信じたくなかった。

ウェディングドレスを着て彼の隣に並ぶのは私がよかった。私はまだ諦められないんだと思った。彼のために別れを告げたのに。彼のためならなんだってできると思ったのに。

諦められないんだ。

でももう遅い。彼は愛する人と来週式を挙げる。その場に私は居ていいの?

彼に黙って手術費用を負担してくれる人を探してその人に別れろって言われてホントに別れて。そんなこと彼は望んでいないことも分かってて勝手にやって彼を悲しませた私が幸せな彼に会ってもいいの?

彼にもう一度会うことが許されるの?

そんな資格私にあるの?

会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。

彼を思うだけで夕のことを考えると浮かぶ「会いたい」の4文字。

私はあなたに会えますか?

私はあなたに会うことを許されますか?

ちゃんと話したい。

手術のことも突然の別れもちゃんと伝えたい。

ちゃんと伝えて謝りたい。

彼に伝えるために私は結婚式に出席することにした。

あぁ1週間後が待ち遠しい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る