第10話支援者

私は夏休みの宿題を図書館でやっていた。読書感想文のために本を取ろうとしたら誰かの手と重なった。

「悪い。これ君も借りるの?」

「そう思ってたんだけどこの本シリーズものだから私は他のを借りるよ」

「これ好きなの?」

「うん」

「俺も好きなんだ。このヒロインの初々しい感じとかリアルでさ。俺も彼女が出来たらこんななんかなっていっつも想像して読んでんだよ」

「わかる。私も2か月前に彼氏が出来たんだけど付き合い始めた2週間くらいは2人っきりになるとこんな感じになってた」

「そうなのか。自己紹介が遅れたけど俺は桜葉大和」

「私は小鳥遊優希奈」

「親友の彼女と同じ名前だな」

「親友?」

「鷹本夕って言うんだけど」

「それ私の彼氏の名前」

「じゃあ君が夕の彼女さんか」

「あのさ」

「なに?」

「親友なら夕が剣道続けたいのかどうか知ってる?」

「確か事故にあって剣道は出来なくなったんだよな。手術したらまた剣道できるようになるらしいけど」

「手術?」

「でも成功率が低い上にお金がかかるんだよ。これ以上親に負担をかけたくないから手術はしないって言ってたぞ。でも本当は続けたいって泣いて言って来た日があったな」

「じゃあ手術したらまた剣道できるのね?」

「あっああ」

私は支援してくれる人を探すことにした。

待っててね。また剣道できるようにするからね

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