二十六曲目:The Crash Motive『Not Giving Up』

 今回は少しマイナーなものを。

 アメリカはデラウェア州、ニューアーク出身のロックバンド、The Crash Motiveの曲です。

 このバンドはかのWind-Up Records(エヴァネッセンスやクリード、アルター・ブリッジを輩出して来た大手インディーレーベル)に所属していた……そうですが、どうやらアルバム『Consequence』を発表した後ひっそりと消滅したようです。

 そして彼らのライブ映像を漁って見ても、かなり小さなハコでのものが殆ど。全く売れなかったことが容易に想像できてしまいます。

 ですが、楽曲はストレートなロックサウンドで滅茶苦茶カッコいいです。特に今回挙げた『Not Giving Up』は、力強いドラム(と手拍子)のイントロからザクザクしたギターが乗っかり、そこに若干ハスキーなヴォーカルが乗って、もう素晴らしいの一言に尽きます。

 これがアルバムの一曲目に来て、ブチ上がらない人なんているんですかね、ってレベルです。

 そしてこの曲、MVがまたシュールで可愛いのです。

 とある飼い犬に一目ぼれしてしまった一匹の犬が多数の人間を巻き込んでちょっとした騒動を起こす、という内容のものなのですが、一々アップになる若干ふてぶてしい表情がたまらなく可愛いです。

 巻き込まれた側の人間も中々シュールな演技を見せてくれます。まあそもそも一匹のわんこを大の大人が四人がかりで必死になって追いかけているという光景がそもそもシュールなのですが。

 冷静に見ればかなりツッコミどころの多い内容ではあるのですが、全体的にコメディに吹っ切れているので『違和感? そんなの知らねぇよ』と言わんばかりに突っ走っていきます。

 終盤の空を飛ぶシーンで、スヌーピーを彷彿とさせる衣装になっているのも個人的にはポイント高め。

 何度も見返すかと言われるとそんな事はないのですが、偶に見て和むには丁度良い面白さのMVです。

 今回はここまで。

 惜しくも成功できずに消えてしまったバンドが残した、クールな良曲。ぜひ一度聞いてみてほしいです。

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