第6話 妖精の女王と劉のステータス

ルゥの言葉で目の前が光ったかと思うと、そこには綺麗な人がいた・・・・。


「……人間?」


「違いますよ、ほら後ろに羽根があるでしょ?」


女王に言われて背中を見るとうっすらと羽根が付いてある。注意して見ないと見えないぐらい羽根は薄かった。


「きれいだ……」


劉は思わず女王の羽根に見蕩れてしまった。

ルゥとは違う透き通った太陽に反射して虹色に輝く羽根は人々を魅了するのだと思ってしまう。


「りゅー!」


そんな女王の羽根に見蕩れているとルゥに呼ばれた。劉はその声で我に返った。


「……はっ!僕はなにを……」


「お母さんに見蕩れちゃだめ!」


「わ、分かったから。……なんでそんなに怒ってるの?」


「しらない!」


プイッとそっぽを向いてしまった。


「ふふっ、仲良いわね」


女王が笑って見ている。


「ここに人がくるなんて意外ね。何百年ぶりかしら」


「そんなに来てないんですか?」


「昔は色々と大変だったのよ」


人間とはなにやらあるようだった。


「ところで女王…様?はなんでそんな人に近いんですか?」


「あなた何も知らないのね」


「りゅーは異世界から来たんだよー、お母さん」


機嫌を戻したルゥはお母さんに言う。


「異世界人……なるほど、だから耐性があるのね」


「耐性?」


劉が女王の言葉に首を傾けていると女王が言った。


「立ち話もなんだし、こちらに来なさい異世界人さん」


●●●


女王に案内されたのはとある部屋だった。


「ここは?」


「私の部屋よ」


女王の部屋は椅子と机があるだけで、それ以外はなにもなかった。


「ここにはあんまり居ないのよ。しかも寝ないしね」


「そうなんですか」


「ところであなた何故ここに?異世界人はルセンにいるんじゃないの?」


「ルセンってどこですか?」


「ルセンを知らないのね……」


女王はため息をつく。


「なら、私の名前も知らないわよね?」


「それは、まあ」


「なるほど。とりあえず自己紹介しときますね。私は妖精の女王クイファ。どうぞよろしくね♪」


女王クイファは丁寧な挨拶と最後にウインクを決めるギャップを見せてきた。


「えと、僕は星屑劉です。よろしくお願いします」


劉は自分の名前だけ言った。


「りゅーは自分のステータスを見てないのかしら?」


「なんかまた呼び方がちがうような……そういえば見方は教えてもらったけどまだ見てないですね」


「できれば見せて欲しいんですけど……」


「あー、わたしも見たいー!」


ルゥが大声を出して飛んでくる。


「うわっ、ルゥびっくりしたじゃん」


「ごめんね〜」


全く悪びれていないようだ。


「それよりも早く見せてー」


「ちょっと待ってね」


劉は右手を上に上げて青色の不透明な画面からステータス画面を出す。



────────────────────────

星屑劉ほしくずりゅう 16歳

Lv5

HP:100

MP:100

ATK:10

DEF:10

SPD:10

職業:悪神

特性:雄者(恐怖を感じなくなる。どんな生物にも立ち向かえる)

適正:闇

魔法熟練度:炎0、水0、風0、雷0、土0、光0、闇100

スキル:闇魔法全て、深淵の従僕、貪り喰いスキルテイカー、煉獄檻、闇の支配領域ダークテリトリー、ひれ伏す闇の重玉グラビティ

アビリティ:魅了無効、支配無効、暗闇無効、闇攻撃無効、全属性耐性、光耐性Lv5、、睡眠耐性Lv5、麻痺耐性Lv5、支配Lv5、攻撃増加、闇攻撃10倍、防御増加、闇の加護、妖精の加護、悪神の加護


※増加率はステータスの50倍

※悪神の加護はステータス補正がない。成長も普通よりは遅い。

────────────────────────




「「・・・・・」」


「僕のステータスどんな感じ?」


ルゥとクイファ女王が黙っていたので聞いてみた。


「……説明しないといけないわね」


クイファ女王が口を開いた。そのとき誰かが入ってきた。


「クイファー!大変よぉ!」


勢いよくクイファ女王に飛びついてきた。光の玉だった。


「なにこれ?」


「なにって失礼な!」


劉が首を傾げていると光の玉が眩い光を放った。


(今日は眩しいのが多いなぁ)


そんなことを考えていると光が収まってゆく。そこには人が立っていた。赤、青、白と3色の色が混じりあった髪に右目が黄色、左目が緑のオッドアイの女性だった。


「……人間?」


「違うわよ!私は精霊の女王エレンよ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る