発想の悪魔合体。

サメがシリアスな恐怖の対象だったのも昔のことで、今やフィクション界では何でもありな馬鹿クリーチャー代表の地位を欲しいままにしています。空くらいは平気で飛ぶでしょう。つまり驚かない。

女の子が空から落ちてくる。落ちもの、と呼ばれるジャンルがあるくらいで、これはもう王道中の王道です。やっぱり驚かない。

驚かないと驚かないが合体したところで驚かないだろう、と思っていました。しかしそれも、本文に触れるまでのことでした。

呆然としています。突拍子もないシチュエーション、そして妙に生々しいにおいの描写もそうですが、なんだかこの作品は、もっと得体のしれないところまで泳いでいきそうな予感があるのです。

女子高出身の妹に、「挨拶はごきげんようで、後輩は先輩をお姉さまと慕うんだと信じている」と話して大笑いされた経験があります。要は僕の発想というのはその程度で、この作品の秘めた可能性になどまったく手が届くはずがないのです。